金融危機 対ロ貿易にも影

先ごろ、中国・内モンゴル自治区の北東部に位置する満洲里市を訪ねた。西側がモンゴル、北側がロシアに隣接する人口30万人(市中心部が約10万人)の小都市だが、中ロ貿易量の約7割を担う陸運交易都市として知られる。中ロ間で軌道幅が異なる鉄道の年間積み替え能力は3000万トンに達しているが、2008年の輸出入貨物は2411万トンだった。昨年9月のリーマンショック以降、ロシアの経済不振もあって対ロ貿易に大きな影響が出ている。

しかし、近年建設ラッシュが続くこの国境の町を歩いていると、タマネギ型の屋根やロシア風の建物が町のいたるところにあり、中国の町でありながら異国のような、明るく開放的で不思議な雰囲気を感じる。市内から車で20分程行くと、中ロの国境に隣接する「国門」(国境の門)という建物〓写真〓があり、展望台に上がって見れば、すぐ向う側がロシアだ。

世界金融危機の影響でロシア人観光客がめっきり減り、観光収入が地域内総生産の約3割を占めている満洲里市にとって、経済的に大きな痛手となったようだ。他方、大草原、淡水湖、国境体験などの観光資源に惹かれた中国各地からの観光客が殺到し、人であふれ返っていた。

「1990年代以降、この町は何回も経済的な落ち込みを経験してきただけに、今回直面する経済・金融危機を乗り越えることも可能だ」と政府関係者はいう。さらにこの危機を契機に、関税面などでやや不透明な中ロ貿易をより健全な方向に持っていくことも期待されている。

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新潟日報エリナレター掲載