ロシアへの経由地 信頼高く

10月1日、ヘルシンキ新港〓写真〓の一角に建設されたゲートハウスで「アジア-ロシア間貿易のゲートウェーとしてのフィンランド」をテーマにセミナーが開かれ、講師として招かれた。丸山博・駐フィンランド全権特命大使も出席し、日本とフィンランドの協力について発言された。

港湾インフラ整備が貿易の増加に追いつかないロシアでは、バルト海沿岸の隣国港湾を経由し、陸路ロシアへ持ち込まれるトランジット貿易が重要な役割を果たしてきた。その方が安全で手続的にも容易とされる。日本のロシア向け輸出の約60%(金額ベース、2008年)がフィンランド経由で国境を越えている。自動車(新車)や電気機器が主要品目だ。

しかし世界金融危機の影響を受け日ロ貿易は低迷し、また経由地としてのフィンランドの役割が低下する傾向が見られる。まずロシア国境近くの保税倉庫にロシア向け物流拠点を置いていた日系家電大手が消費地に近いモスクワへ倉庫を移転した。さらに、ロシアが隣国港経由のトランジットを抑制し、サンクトペテルブルク港などの自国港湾を利用するよう誘導している。具体的には、フィンランドからトラックでロシアへ持ち込まれる輸入品の通関を規制する方針だ。驚いた日本の輸送業者は代替ルートやモードの確保に追われている。一方、フィンランドはロシアと交渉中といわれる。

日本にとっては輸送ルートの選択肢は多い方が望ましい。信頼度の高いフィンランド経由の入口を閉めないでほしいとフィンランドと協力してロシアを説得したいところだ。

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新潟日報エリナレター掲載