日米の責任重い原子力問題

先月30日、ブルッキングズ研究所(米国ワシントンDC)が北海道大学スラブ研究センターと共催で「原子力ルネッサンスと日米同盟:新規市場開拓と不拡散」を開催した。筆者はブルッキングズ研究所に客員研究員として招かれ、8月から12月下旬まで勤務しており、この会議でも司会など運営に携わった〓写真〓。会議には各国の政策決定者や研究者ら専門家、産業界の人々も含め100人以上が参加した。

今日、将来的なエネルギー需要の増大や地球温暖化防止策として、原子力発電の利用拡大が世界的な潮流となりつつある。他方、国際社会は北朝鮮やイランの核開発問題や核テロの危険性等の挑戦に直面している。

奇しくも今回の会議の前日、日本が国連総会の軍縮に関する委員会に提出した核廃絶を目指す決議には、米国が9年ぶりに賛成しただけでなく、初めて共同提案国として名を連ねた。同決議に対し、インドと北朝鮮は反対、中国やイラン、フランスを含む7カ国は棄権した。

原子力産業界では現在、日米両国の二大メーカー間に経営統合が成立している。同分野での新規ビジネスチャンスが世界で広がる中、日米企業の競争力維持・強化が焦眉の課題となっている。

オバマ大統領は、今年4月のプラハ演説で未来における「核なき世界」を提唱し、ノーベル平和賞を受賞したばかりだ。日本は原子力の平和利用では世界有数のノウハウを有するが、世界唯一の被爆国である。原子力の平和利用と核不拡散との緊張関係は、古くて新しいテーマだ。これは、今後ますます日米間の重点的協力分野となるだろう。それだけ、両国が共に担う道義的責任は重い。

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新潟日報エリナレター掲載