子どもから異文化交流学ぶ

昨年8~12月に客員研究員として滞在したブルッキングズ研究所に引き続き、戦略国際問題研究所(CSIS)から3月まで招聘されることになった。ワシントンDCで暮らし始めてから半年が経とうとしているが、世界屈指のシンクタンクが出揃うこの街で、連日、大きな知的刺激を受けている。気候変動問題、国際テロリズム、アフガニスタン問題、北朝鮮問題等々、あらゆる焦眉の問題に関し、タイムリーな会議がどこかで開かれてない日は、まずない。

当地では、世界中の政策決定者や様々な専門家たちが侃々諤々(かんかんがくがく)の議論を繰り広げている。筆者も様々な国々や集団の利害対立を目前にしながら、「国境を越えた真の相互理解とは何か」と、自問自答を繰り返す毎日だ。

そんな中、わが子の通う幼稚園を訪れる度に、心が癒されるような気がする。子供の数は40人足らずの小さな所だが、国際通貨基金や世界銀行など、国際機関に勤める親たちも多いことから、実に国際色豊かだ。面白いことに、英語を母国語としない子どもの方が多く、聞こえてくる言葉に耳を澄ますと、10カ国語以上が混在している。思い思いの手段で懸命に表現し、相手の目を見て理解しようとする子どもたちの姿が微笑ましい。

われわれ大人には、子どもよりも優れたコミュニケーション能力・技術があるはずだ。そのくせ、国籍や言葉、文化の違いを理由にして、諦めてしまうことがあるのではないか。異文化の交わりを通じて、お互いの心を豊かにする。北東アジアの将来も、そんな世界であってほしい。

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リンカーン記念館から見たワシントン記念塔

新潟日報エリナレター掲載