中国事情に合わせ技術導入

今年の3月、中国・吉林省の延吉市を訪れた。中国には経済発展を促すために国レベル、省レベルなどで「開発区」「輸出加工区」などと名の付く優遇政策付き工業団地があちこちで開発されている。今回は、延吉市内にある延吉経済開発区という工業団地を訪問した。同開発区には、開発区の関連会社が所有する貸し工場があり、国内企業だけでなく、韓国企業や日系企業など外資系企業も入居している。

日系企業が何社か入居しているという「中小企業工業園」という貸し工場を訪問した。従業員用の食堂も設置されている。沿海地区の工業団地とは異なり、あくせくしたところがなく人間的な労働環境であるように感じた。

日中の合弁企業であるK社を見学させていただいた。超音波洗浄器の技術を持つ日本の会社と中国側の個人の合弁企業だった。日本の会社の技術を生かして作られたのは台所用超音波洗浄シンク〓写真〓。中国では料理に油を多く使う。洗剤を使わずに超音波で油を落とすことができれば経済的だ。野菜や果物の残留農薬が心配されている。超音波なら水だけで洗うよりもずっときれいになるようだ。

実際に作動させると超音波洗浄機独特の音が耳障りだった。が、社長は中国の実情に合った製品だ、と胸を張る。確かに、野菜や果物、油でべたべたの皿を安全かつ経済的に洗えるとなると、少々の不便を我慢しようとする人が出てくるかもしれない。日本の技術をうまく利用して、日本人はもとより、他の中国人も考えつかないアイテムを作り、一儲けしようという技術導入型のビジネス、社長の目論見通りにうまくいくのだろうか。

fg100510_1

新潟日報エリナレター掲載