開かれる内モンゴルの秘境

先月、中国・内モンゴル自治区興安盟にある阿爾山(アルシャン)市を訪れた。同市はモンゴルとの国境に位置する人口約5万6千人の街だ。街の主要産業は観光。温泉が有名な街で、直線距離で900キロ離れた北京から自家用車でモンゴルの草原を横断して、阿爾山を訪問し、黒龍江省のチチハル市、ハルビン市などを訪れ、約2週間の旅程で北京に戻るコースが人気とのこと。マイカーが普及した昨今の中国らしい観光スポットになっている。公共交通機関を利用しようとすると、鉄道が1日2便、バスは自治区内の烏蘭浩特(ウランホト)市と1日5便、満州里市、フルンボイル市、吉林省の白城市などとは1日1便しかなく、所要時間も長い。吉林省の長春や、遼寧省の瀋陽との移動時間は鉄道で15時間を超える。

観光の振興のために、阿爾山市では来年の初夏の完成を目指して二つのプロジェクトが進行中だ。第1に、国境を超えてモンゴルへの通行ができるようにするための国境通関施設の建設。第2に、空港の建設だ。前者は夏季と旧正月前の期間限定だが、第三国の人も通行できる国際税関になる予定だ。モンゴル側はほとんど人口がないので、草原に滞在する観光などを念頭に置いているらしい。後者はすでにほぼ完成しており、現在北京との航空路を希望しているとのこと。もし認められれば北京から1時間半ほどで阿爾山に行くことができるようになるそうだ。そうなれば日本からもモンゴルの大草原と森林、温泉を楽しむツアーを企画することもできるようになるだろう。来夏、内モンゴルの秘境が一段と身近になりそうだ。

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建設中の阿爾山空港の滑走路

新潟日報エリナレター掲載