トイレのサインにも流行
私たちは調査や会議で外国へ出張する機会が多い。行く先々でホテルに泊まり、食事をし、会議で報告したり、その地域の経済動向を聞き取ったりする。その合間に、現地の人々と語らい、現地の人々の暮らしぶりを垣間見る。きょうは、現地のトイレの様子をご紹介しよう。トイレは、どこへ行っても、誰にとっても、大切な施設だ。
写真が2枚ある。1枚は、中国・遼寧省の省都、瀋陽市にできたばかりのショッピングモールの一角にあるトイレ入り口のサイン。もう1枚は、こちらもできたばかりの羽田空港国際線ターミナルビルのトイレの入り口サインだ。さあ、どっちがどっち?
-色を見れば一目瞭然さ。左の写真の色合いは、いかにも中国らしいじゃないか。
-確かに、右は渋いっていうか、シンプルでオシャレな感じ。でも、これ、ちょっと分かりにくくない?
案内サインの使命は、一見してそれと分かる明解さにある。オシャレに越したことはないが、“トイレはどこだぁ!”と慌てさせては、本来の目的を果たせない。正解は、左が羽田、右が瀋陽。
瀋陽の中心市街地・中街にできたこのショッピングモールにかぎらず、中国はどんどん流行に敏感になっている。外見を真似るだけでなく、中身(その目的や使い心地)もしっかり身につけていけば、もっと暮らしやすい街になっていくのだろう。
ERINA(環日本海経済研究所) 中村俊彦
新潟日報ERINAレター2010年11月22日掲載