「新潟の空洞化」にショック

ロシア極東への飛行機が飛ばなくなるというのはショッキングな知らせだった。立て続けにショックを受けたのは、本紙面でもおなじみのJSNが新潟本社を閉鎖し、東京本社に集約するということだ。同社はロシア極東のナマの情報を日本に伝えることを目的として1993年に新潟で開業した。他に類のないサービスを提供するオンリーワンの企業であり、小さいながら「ロシア極東の窓口・新潟」を体現する企業だった。

それが新潟を離れる。既にビジネスとしては東京が中心となっていたらしい。成田空港へとシフトした形のロシア便と同様の構図だ。営利企業がより大きい市場で業務展開するという選択は、至極あたりまえの戦略といえる。

しかし、新潟が空洞化するのは経済原理だから仕方が無いと言ってしまえばそれまでだ。ロシアの航空会社に補助金を払ってまで路線を維持するのはいかがなものか、という議論は確かに正論だ。「調査をした結果、リスクが高いことが分かったので、環日本海ビジネスには手を出しません」という企業の判断も、一つ一つは正当なものだろう。それを責めることはできない。しかし、そうした「正しい」判断の積み重ねが、「環日本海拠点・新潟」という看板を空虚なものにしていく。

中国や韓国の企業は向こう傷を覚悟で、時には討ち死に覚悟でリスク市場に出ていく。国内でも、北海道や山陰など経済環境が厳しい地域では、背水の陣で打って出る企業がある。JSNもリスクに挑む企業の一つだ。その一方で「そんな危ないことしなくても」と言いながら、ベッドでテレビを見ている人達がいる。彼らがけがを負うことはない。が、延命装置がいつまで持つかは時間の問題だ。

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新潟日報エリナレター掲載