生活の質と幸福度 議論熱く

昨年12月、ERINAはロシア科学アカデミー極東支部及びウラル支部の経済研究所と共同で、ロシア経済をテーマとした円卓会議を新潟市で開催した。ロシア側からは研究者12人が来日し、日本側からはERINAや新潟のロシア研究者らが参加した。

会議の後半、ロシアの社会問題や人口動態が話題に上り、女性の晩産化に伴う出生率の低下や住民が抱える社会的ストレスなど、日本と似た問題に直面しているロシアの現状が垣間見えた。その中で、「生活の質」と「幸福度」の相関性について熱い議論が交わされた。ロシアで群を抜いて生活水準が高いモスクワ市民の「幸福度」は国内で50位程度だと言う。こういった類の指標は数が多く、何を基準に判断したらいいのか難しいが、「生活の質」が高く物理的に豊かだとしても、「幸福度」がそれに比例するとは限らないだろう。

日本では内閣府が国民の「幸福度」を測る新指標の策定を進めているが、幸福の度合いを指標化することには疑問の声も多い。新年を迎えた今、世に溢れる数字や情報に惑わされず、自らの幸せとは何かを見つめ直すいい機会かもしれない。

ロシアの一行は会議の後、来日前から心待ちにしていた温泉へ向かった。ロシアにも温泉はあるが、水着を着てスパ感覚で楽しむのが一般的だ。初来日のロシア人にとって、生まれたままの姿で入る温泉は戸惑いと恥じらいの連続だったようで、ぎりぎりまでタオルを手放さない女性もいた。翌日は水族館で海の生物の神秘と美しさに魅了され〓写真〓、イルカとの握手で新潟滞在を締めくくった。温泉で心と体を癒し、海の生物に囲まれて満面の笑みのロシア人の姿を見る限り、新潟滞在中の「幸福度」は上がっていたようだ。

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新潟日報エリナレター掲載