「ウチの学校」へ地域で援助

学校にプラネタリウムができる。そう聞いた時は耳を疑った。ウラジオストク市第6番学校〓写真(同校提供)〓の中を案内してもらっていた時のことだ。モスクワあたりの大富豪が通う私立学校ではない。地方都市の普通の公立学校である。校長先生は自慢したいらしく、工事現場まで連れて行ってくれる。そこには、確かにドーム天井の丸い部屋があった。

実は、この施設はウラジオストク港の運営会社が寄付したものだという。同校はウラジオストク商業港に近く、生徒の大部分が港湾関係者の子弟だ。ソ連時代から「ウチの学校」といった位置づけで、物心さまざまな援助を行ってきた歴史があるらしい。事情の違う日本とは一概に比較できないが、学校と企業と地域とが一つのコミュニティを作っているように感じた。

ロシアの教育は11年制で、6歳入学だと17歳で卒業する。面白いのは、廊下の途中に扉があって、上級生はその先の低学年(1~4年生)区画に入れないことだ。親子ほども体の大きさが違う子供同士がぶつかってけがをしないようにとの配慮だ。違うのは体格だけではない。心の発達も1年生と11年生では大違いだ。校長先生は、「低学年のうちはかわいいけれど、その後反抗期に入るし、さらに上級生になって人権について学ぶと、義務を忘れて権利だけ主張し始めるから大変。だから人権の授業は無くしたいのだけれど」と冗談めかして話していた。

国によって入れ物(建物や制度)は違っても、中身の子供たちは同じ。普段は経済を中心にロシアを見ているが、あらためて青少年交流の大切さに思いを巡らせている。

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新潟日報エリナレター掲載