中ロ国境の街にたくましさ

先月、中国・黒龍江省の東南部に位置する綏芬河(すいふんが)市を訪問した。人口10万人ほどの国境の街だが、「ロシアがクシャミすれば綏芬河は風邪をひく」といわれるほど、対ロビジネスはこの街の「生命線」だ。1990年代以降、この街はロシア情勢に起因する経済的な落ち込みを何度も経験したが、今や平均所得は黒龍江省の上位を占め、人口も増え続けてきた。世界金融危機でロシア経済が冷え込んだ時も衝撃を受けたが、今回もその危機的状況から街はすっかり活気を取り戻し、ロシア人観光客で賑わっていた〓写真〓。

近年、筆者は定期的に綏芬河を観察してきたが、訪ねるたびに街全体がたくましさを増している気がする。この活気を支える力が何かを考えると、「マーケティング力」、「ロシア語力」、「行動力」の3点を挙げることができる。

綏芬河にモノづくりの従事者は少ないが、その分、ロシア人が好む商品、ビジネス環境、サービスを懸命に考えてマーケットを開拓していく商人が多い。商品企画・販路開拓のためにロシア語力は必要不可欠だが、「綏芬河人」なら行商人でさえも片言のロシア語で価格交渉に挑む。さらに、さまざまなアイデア・改善策を徹底的に実行に移す民間や地方行政の「行動力」も街の活気を支える重要な要素だ。「できない理由」をまとめるよりも「どうやったらできるか」を考えることが「綏芬河流」だという。その結果、ロシア人観光客にも宿泊、食事、買い物、娯楽で何不自由ない街が保たれている。この綏芬河人のたくましさには、対岸諸国との「国境の街」ともいえる新潟にとって参考になる部分もあるかもしれない。

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新潟日報エリナレター掲載