あちこちでタクシー待つ人

8月29日、30日の2日間、モンゴルの首都ウランバートル市で「第12回北東アジア天然ガス・パイプライン国際会議」が開かれ、事務局として参加した。会議の合間に街に出てみると、ウランバートルは道を歩く人、道路を走る車、公園で餌をついばむスズメまで、とにかくにぎやかで活気づいている。そんな中、車道の脇で走る車に向かって片手を出して立っている人たちをあちこちで見かけた〓写真〓。タクシーを止めようとしている光景だ。

タクシーと言っても、それとわかる表示灯や車体に社名が書いてあるものは稀で、いわゆる白タク、にわか仕立ての「個人タクシー」を待っているのだ。車が目の前に停まったら行き先を告げ、その場所が採算に見合うと運転者が判断すれば乗せてくれる。この場合、タクシー免許など必要ない。メーターも設置されていない。今月はちょっとお小遣いがピンチ、となったら、誰もが市内を周って何組かのお客さんを乗せてタクシー業務を行うことができ、いくらか懐が温まるというわけ。だから、RV車や高級車が止まってくれる確率は低く、男性が一人で運転しているような古びた車であることが多い。

爆発的な人口増加にバスなどの公共交通機関の整備が間に合わないウランバートル市内では、このタクシー制度、需要は大いにあるようで、車道の脇にはいつも多くの人が車を求めて立っている。犯罪などのトラブルは案外少ないそうで、信頼のうえに成り立っている人情の残る光景を、少し羨ましい気持ちで眺めた。

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新潟日報エリナレター掲載