活気あふれる中越国境の街

先月、中国広西チワン族自治区の南端に位置する中国・ベトナム(中越)国境の街・東興市を訪ねた。東興市は、国境を流れる北倫河(ベトナム名、カロン川)にかかる中越友誼大橋を挟んでベトナムのモンカイ市(中国名、芒街)に隣接する。地元の住民は、国境近くに住んでいることを証明する「辺民証」を提示すれば、簡単に国境を越えて往来することができる。

東興市は1992年に国境開放都市に指定され、中越国境貿易促進のための「東興国境経済協力区」も設置された。その後、中越関係の緊密化を背景に、東興市の経済は国境貿易の拡大やそれに伴う旺盛な輸送需要に支えられ、急速な成長を遂げている。近年は、中国と東南アジアを結ぶ重要な物流玄関口としても、この国境の街の重要性が注目されている。今後は、新しい制度的な協力の枠組みが東興市のさらなる成長の追い風になりそうだ。とりわけ、2010年に発効した中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)との間の自由貿易協定(ACFTA)の影響が大きいようだ。

これまで中国東北地方の中ロ・中朝国境地域へよく出かけた筆者にとって、観光客相手のベトナム土産物屋=写真=や旅行会社が軒を連ねる賑やかなこの国境の街を歩いていると、同じ中国でも東北地方とは全く違った南国特有の明るさと開放感が感じられた。文化や食習慣、街の雰囲気もガラリと変わり、改めて中国の多様性を実感した。東南アジアにおける経済協力の経験から、北東アジア諸国が参考にすべき点を探ることの重要性も再認識させられた。

fg111010_1

新潟日報エリナレター掲載