地域発展戦略の策定 続々と

中国の地域発展戦略と言えば、西部大開発や東北振興のように、中央政府が主導して沿海部と内陸部との地域格差を是正するための国家プロジェクトというイメージが強い。しかし、2008年前後からその性格が大きく変わってきた。中央政府主導から省・自治区・直轄市(日本の県に相当)の地方政府主導に変わり、策定の目的も格差の是正から地域の特性を生かした地域発展モデルの形成に変化しつつある。

2008年から現在まで、中央政府に承認された省レベルの地域発展戦略は19件に上り、中国ではいま地域発展戦略の策定ラッシュに入っていると言えよう〓表参照〓。これらの地域発展戦略に対しては、中央政府が財政的支援、税の減免策等を提供しない代わりに、地方政府の実験的な施策を積極的に認めている。また法律に定めがなく、あるいは前例がなくても、地方の要望があれば、政策的配慮として新たな政策を試行することができる「先行先試」(先に行い、先に試みる)策を導入している地域が多い。ここには、地方のイニシアチブによる各地域の特色を生かした発展モデルの萌芽ともいえる斬新なアプローチが多く見られる。

しかし、沿海部と内陸部とでは地域の経済規模が異なり、地方政府が「先行先試」を行う基礎的条件や市場経済の浸透の度合いも地域によって相違している。また、地方政府の行政トップによるリーダーシップも大きく問われることから、地方主導により地域格差が縮小に向かうかどうか疑問が残る。今後の進展を見守りたい。

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新潟日報エリナレター掲載