自治体外交の光と影

先頃、韓国慶州市で開催された「北東アジア地域自治体連合」(NEAR)のワークショップに招かれ、「北東アジア地域発展のための自治体交流について」講演する機会を得た。

NEARは、中国・日本・韓国・北朝鮮・ロシア・モンゴル6カ国の70自治体が参加する組織で、日本からは新潟県など10県が加盟している。講演では自治体外交の先鞭をつけた新潟市の国際交流の歴史と内容を説明した。儀礼化してきたといわれる自治体交流の課題や、具体的な成果とウイン・ウイン関係を求める自治体間交流の変化についても言及した。

北東アジア地域にはいまだに領土問題が存在する。問題が顕在化するたびに地域間交流が中断され、交流のジレンマとなっている。自治体間交流は国の外交の下支えであり、自治体間での率直な意見交換の必要性については賛同を得た。

その後、麗水(ヨス)市で開催されている「麗水国際博覧会」〓写真〓を参加者とともに視察した。テーマは「生きている海と沿岸:資源の多様性と持続可能な活動」で106カ国10機関が出展している。日本館では、東日本大震災の際に世界から寄せられた支援への感謝が示され、家族を失った少年が、森や海、人々の生命力に触れ、復興と再生への希望を取り戻すという絵本シアターが展示されていた。

韓国の展示の中で竹島と日本海について日本政府と見解の相違があるとして、日本政府は6月2日のジャパン・デーに政府高官を派遣しないとの報道があった。避けて通れない国家間の問題を改めて感じた韓国訪問であった。

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新潟日報エリナレター掲載