漢江の奇跡 再現注目

5月の韓国出張に際し、韓国開発研究院(KDI)という研究機関で、韓国のマクロ経済の専門家にヒアリングを行う機会を得た。

この研究院は、数ある韓国の社会科学系の国策研究機関の中でも、最も古い伝統を誇る機関である。朴槿恵(パク・クネ)現大統領の父、故朴正煕(パク・チョンヒ)大統領は1970年代に権威主義政権を率い高度経済成長を実現。これは「ライン河の奇跡」と呼ばれた西ドイツの経済成長になぞらえて、「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれた。KDIはその朴正煕大統領が1972年に設立したもので、当時の成長優先の経済政策を、政策立案の面からサポートした。

折しも韓国経済はユーロ圏の経済危機の影響を受け、成長率の低下に悩まされている。2012年の経済成長率は2.0%と低く、今年も引き続き2%台に止まるものと見込まれている。韓国経済の潜在成長率(資本、労働等をフルに活用した場合に実現できる成長率)は4%程度と見られており、2%台の成長では雇用面などを通じ、社会への悪影響は避けられない。2月に就任した朴現大統領は、政権発足早々に経済活性化の課題に直面している。

朴政権が経済のテコ入れのために復活させた経済政策の司令塔、経済担当副首相のポストには、KDI前院長の(ヒョン・オソク)氏が就任した。IT産業など、知識集約型の新規分野の育成による経済成長の再加速を目指すという。亡き父を深く敬愛する娘の手によって、「漢江の奇跡」の再現はなるだろうか。

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新潟日報エリナレター掲載