中ロ国境 商機あるか

先月、中国黒龍江省にある綏芬河市を訪問した。ロシア極東地域に隣接するこの国境都市は、1990年代から小規模な貿易業者による「担ぎ屋」商売が盛んに行われてきた。常住人口はわずか十数万人ほどだが、年間数十万人のロシア人バイヤー・観光客が訪れ、「中ロ国境地域経済交流の代表格」といわれるまで実力をつけてきた。

ところが、長年の「対ロシア一極依存」ともいえる国境貿易からの脱皮を図るため、最近の綏芬河は、日本、韓国、台湾などアジア各国との経済交流拡大への転換を図り、対外貿易の多元化を狙っている。

地元行政による国内外での積極的な「中ロビジネスのノウハウ」のPRや、企業誘致活動に加え、中ロ双方のマーケットへの期待感により、すでに台湾、韓国勢が国境都市・綏芬河への進出を果たしている。

今回は4月に出店した台湾系卸・小売店舗の売り場〓写真〓を見学したが、ロシア人観光客および地元の中間所得層をターゲットした商品がずらりと並び、その品質は既存小売業の陳列品と比べ明らかにレベルが高い様子だ。また、韓国勢も20数社共用の常設展示(一部は小売業務も兼ねる)を行うなど、「Made in Korea」の中・高級品で綏芬河の市場に攻勢をかけている。

ただ、国境都市における商機の先行きに懸念がないわけではない。特に内陸に立地するゆえに、物流問題がネックとなってスムーズな商流を阻害している。それでも、国境都市の市場性に惹かれ、台湾、韓国勢が進出してくる。日本も差別化を図りながらこの市場に食い込んで、新たな商機を見極めてほしいものだ。

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新潟日報エリナレター掲載