中ロ国境 観光客の波

この夏、中ロ国境都市の満洲里を訪れた。中国・内モンゴル自治区の北部にあり、ロシア・ザバイカリエ地方のザバイカリスクと隣接している。人口30万人の小さい街だが、中ロ国境貿易の7割以上の荷物が通過する重要な物流拠点だ。

そこでは今、中国国内の観光客でにぎわっている=写真=。国境の観光スポットの「国門」に上るには、階段の途中で30分も待たなければならないほどの人出だった。地元観光局の公表では、2012年に満洲里を訪れた観光客は605.4万人、その8割は北京や上海などから来た中国国内の観光客だ。筆者が宿泊したホテルの中でも上海語や広東語が頻繁に聞こえた。航空便では、上海、広州などの大都市と結ばれていて、海南島三亜市への路線の開設も予定されている。中国人にとって、満洲里のきれいな空気、夏の涼しさ、大草原、羊の肉、ロシア商品、国境風景などは魅力的なのだろう。

一方、国境貿易は思ったほど進展していない。満洲里は国境の近くに交易に使用する建物を数多く作った。しかし、テナントの誘致が進まず、一部しか使われていない。ロシアからの買い物客が少なく、商品のレベルも高いとは言えない。国境物流拠点として石炭や木材の輸送は盛んだが、地元経済への波及効果は限定的だとの見方もある。

国境都市・満洲里は何をもって発展していくのか?街を元気にしているのは中国国内の観光客だが、中ロ国境だからこそ訪れてくれる側面もある。国境の街一辺倒ではなく、中ロ両方の人々に満足してもらうような工夫が必要であろう。

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新潟日報エリナレター掲載