緑化目指し実証実験

モンゴル国ドルノゴビ県サインシャンドでは、昨年からJICA(国際協力機構)草の根技術協力事業として、新潟県モンゴル緑化技術協力推進実行委員会による「サインシャンド工業団地緑化と自生種の苗木生産による地域振興協力事業」が行われている。この事業は、2016年9月まで続けられる予定だ。

サインシャンドは年間降水量が100ミリ以下とモンゴル国内で最も乾燥した地域の一つだが、石炭と銅の主要な採掘場に近く、鉄道がつながっているため、国内最大級の工業地帯の受け入れが決まっている。

ところで、気候変動や不適切な土地管理など、人間の活動による砂漠化は、モンゴル国民と経済にとって押し迫った課題となっている。こうした中で、サインシャンドでも、適切な技術によって多様な植物を育成できることが事前調査でわかり、事業の一環として、灌漑植林の実証実験サイトと、従来型及びゲル仕様の温室が作られることになった。モンゴルの伝統的な住居ゲルを利用した「ゲル温室」は、住民にとって外国仕様の温室よりもはるかに馴染みやすい。サクソール、カラガナ、コトカケヤナギなど様々な自生植物〓写真〓に混じって、モンゴル人が大好きなアンズなどの外来種も植えられる予定だ。

さらに、新しい知識と技術に基づいてさまざまな植物を育成し、地元市場のみならず、日本など海外市場向けに輸出することも考えられる。いつか、サクソール、カラガナ、コトカケヤナギの「ボンサイ」が日本人に届けられる日が来るかもしれない。

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新潟日報ERINAレター掲載