極東に新規発電計画

6月、ロシアのサハ共和国ヤクーツク市を訪問する機会に恵まれた。同市で開催された「ロシア極東の再生可能エネルギー」に関する国際会議への参加が目的であった。

ヤクーツク市はウラジオストク市から北に直線距離で2000キロ、日本からは決して近くないロシア極東の街である。永久凍土の上に位置し、年間の平均気温が氷点下10度ともいわれる街だが、真夏のこの時期、人々の表情は明るい。数字ではこの共和国の面積はロシア全土の約18%を占めるが、地元の人は端数を切り上げ約20%と誇らしげに語る。300万平方キロメートルという確かに広大な土地である。共和国の人口はわずか95万人、ロシア全体の人口密度を引き下げているのはこの共和国であった。

共和国の大動脈レナ川=写真=を数時間下った。全長4400キロのこの川はロシアではアムール川に次ぐ第2位の大河である。ヤクーツク市を少し離れると、川の両岸に人家はほとんど見えず、一面森林の世界、川を渡河する橋もない。日本では身近な高電圧の送電線や鉄塔もほとんど見当たらない。夏季にはこの川が最大の水上輸送手段となり、冬季には凍結した川がそのまま自動車道路に変身する。

この過酷な地で、へき地村落の住民に電力を供給するため、風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる新規発電所を今後数年のうちに140カ所も建設するという壮大な計画が進行している。その実現を願い、エールを送りたくなるのは恐らく筆者一人ではなかろう。

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新潟日報エリナレター掲載