東北三省 発展への課題

8月に中国・東北三省(遼寧省、吉林省、黒龍江省)を訪れた。今回の調査では、現地経済の勢いと統計上の成長率の低さにギャップを感じ、複雑な気持ちになった。

東北三省の経済発展は体で感じられる。例えば、瀋陽市の発展ぶりと将来のビジョンを展示する「瀋陽市都市規画(計画)展示館」に入ると、同市の過去・現在・未来の変遷を一目で見ることができる〓写真〓。市内の駅、空港、地下鉄の整備も進み、安心して利用できるようになった。瀋陽市だけではない。瀋陽市の南に位置する鞍山市では、「鉄鋼業の長男」と呼ばれる鞍山鉄鋼があり、大規模な生産施設を新規に増設している。長春市も市政府の周辺に規画展示・文化複合施設を作っている。ハルビン市は、30年前には想像もつかなかった人口1,000万人の国際都市に成長している。

しかし、全国から見て、東北三省の経済成長率は最近低くなっている。今年上半期の経済成長率は遼寧省が7.2%、吉林省が6.8%、黒龍江省が4.8%にとどまり、全国31省・直轄市・自治区のうちそれぞれ25位、28位、最下位だった。国務院は急きょ「近頃の東北振興を支援するための若干の重要な政策と措置の意見」を打ち出し、支援を強化しているが、東北振興策の長年の目標である資源依存・重工業依存からの脱却は実現していない。

中国経済は今後さらに珠江デルタ・長江デルタ・環渤海地域に集約するのか、それとも西部・中部・東北に分散するのか。バランスの取れた成長を実現するには、政府の経済政策が重要であろう。

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新潟日報エリナレター掲載