2001年は経済再建問題が優先課題

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昨年6月の南北首脳会談を境に、共和国は中国、ロシアはじめ西側諸国との関係改善、国際機関へのアプローチと一挙に進み、懸案の米国、日本との関係改善のための動きも活発化した。しかし、米・朝間の関係改善のための最後の仕上げの段階で米国大統領選挙の時期に遭遇し、期待に反して中国、共和国に対し厳しい政策遂行が予想されるブッシュ共和党政権に代わることで、クリントンの訪朝も棚上げとなり、政治分野での進展は急速にペースダウンし始めている。その上、共和国経済再建には欠くことのできない期待の南北経済交流の進展も、韓国経済の再度の落込みで、韓国経済界の熱気も下がりはじめてきている。また対共和国との民間経済交流の先導役の現代グループも経済危機の影響をもろに受け、協力プロジェクトや民間経済交流も足踏みしはじめている。

これらに併せて、わが国マスコミの共和国関連ニュースも、今年の食料事情は200万トンの穀物不足で昨年以上に厳しくなるとか、近年にない寒波の襲来で、経済活動への影響が出ているとかの記事が目立ち始めてきている。

しかし、共和国では昨年12月29日付「労働新聞」で、20世紀最後の年、2000年を送るに当たって、「我々は感銘深く追憶する」と題した論文を掲載し、ソ連、東欧等での社会主義崩壊にもかかわらず、苦難の中でも社会主義を守り抜き、強盛大国へと着々と進んでいる共和国の勝利と栄光を称え、意気軒昂なところを示していた。

また、元日の「労働新聞」等の三紙共同社説及び4日付同新聞で、金正日総書記が、古い観念からの脱却と旧来の慣例の見直し、及びすべての事業を新しい時代に合わせたものとするため最新の設備と技術の導入を大胆に行い、経済を発展、振興させる事の必要性を唱えたと紹介されていた。

この総書記の発言を裏付け、将来に向けての行動開始を予想させる出来事が昨年末頃から出始めていることに注目したい。

即ち、昨年末12月28日付けで経済関係閣僚の交替が急遽行われており、またそれに先立ち昨年10月から年末にかけて、党関係者を中国の上海や南部地域の経済特区に派遣している事である。特にそれに続いて、今年1月16日に総書記自らが突如訪中を実行し、上海浦東地区の日系合弁企業等最新技術設備のある工場や証券取引所等を視察した事実があげられよう。

今回の総書記の中国訪問は、困難が予想される今後の対米関係等種々の政治的諸問題への取り組みの一環とも言えるものもあろうが、このような政治問題もさることながら、これよりも今後の共和国の経済問題への取り組みの方向や、姿勢を暗示するものとして注目すべき出来事ではなかろうか。市場経済化で繁栄を続ける上海での最先端技術工場の視察は、単なる設備技術の学習のみならず、これを契機に共和国が従来通りの「ウリシク社会主義」をあくまで堅持しながらも、特定地域、特定工場といった限定的なものであれ、中国の経済特区的な考え方を導入することで、外資と最新技術の導入を図り、共和国経済再建と発展に繋げるための第一歩となることを示唆しているものとも言える。