北朝鮮の方々に伝えた最初のメッセージ

|朝鮮半島

1998年以来の、DPRK(Democratic Peoples’ Republic of Korea)の方々との出会いをご紹介します。具体的な日付や場所は、相手方の事情もありますので差し控えます。

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最初に会ったとき、3つの提案を行った。

    1. 北の人々の勤勉性を考えれば、韓国よりも急速に発展する可能性が充分ある。私自身、1959年から韓国の経済発展に参加してきた者として、その経験を分かち合うことを望んでいる。成功した経験ばかりでなく、失敗したケースも分かち合いたい。ある意味では、失敗例が北にとってはより貴重かもしれない。
    2. このため、全経聯(韓国・全国経済人聯合会の略称)は「羅津・先鋒地区」にBusiness School設立を支援する用意がある。このSchoolでの課目は、経済発展の進め方―政策・制度や運営の仕方、特に輸出産業育成に重点を置く。
    3. これと関連して、全経聯は、北の視察団を招請する。また、北は南の訪問団を受け入れてもらいたい。

2000年12月、北側は視察団派遣を全経聯に通告してきた。これに従い、聯は北のために具体的な日程まで作ったが、未だ実現されていない。

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UNDPはAREP(Agricultural Recovery and Environment Protection)を議題として、1998年、ジュネーブで22カ国、100人以上が参加する大きな会議を開いた。

UNDP事務局は本会議の前日、南北代表と個別的に報告書(Draft Paper)のBriefingを行った。そのDraft Paperの結論部分では、UNDP事務局と小生の間で若干異見が生じた。

結論部分には、以下のように記されていた。

1)2002年の目標として、北の食料事情を自給態勢(Self-reliance or Sustainable Food Supply)にもっていく。2)DPRKが2002年以降、輸入をまかなう外貨をいかに獲得するかがKey Issuesとなる課題である。したがって、次の会合はDPRKの輸出増進策と(エネルギー部分も含めた)外資導入問題が重点的に論議される。

UNDP事務局側は、次の会合では韓国の輸出ドライブ政策が大変参考になるから、韓国の協力を特に期待すると言った。

しかし、Draft Paperの結論の第一項― 北の「食糧自給態勢目標」に対して、私は異議を申し出た。

「北の農業・自然条件等に照らし、自給態勢目標は実現性がない。北よりも農業条件に恵まれた南でも食料自給率は約60%。あとの40%は工業品を輸出した外貨で飼料用の大豆・とうもろこし等を輸入している。北も早く輸出を中心とする工業化を進めて食糧不足を補わなければならない・・・・・・」

そして、こう付け加えた。

「外の専門家やNGOの方々は北の自主・自立政策を尊重するあまり、できないことまで自立でいこうとする。中国の鄧小平のように、『実事求是』で行かねばならない。できないことや不合理なことははっきりと伝えるべきだ。でないと、北をMisleadingする可能性が大きい・・・・・・」

これに対してUNDPの関係者は一斉に声を高めて私に反論しようとしたが、私はこう申し上げた。

「私は南の長い体験で申しています。あなた方のものは机上で作った結論です。南北ともに、通商国家を目指すのが統一の近道と信じます。」

今後開催される会合では、輸出産業振興による食糧問題改善に関する議論が本格的に進められることを望んでいる。