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  • “東北会議”を開催 ―図們江地域開発や情報技術(IT)活用などを協議 ユニークな現地視察を実施―

“東北会議”を開催 ―図們江地域開発や情報技術(IT)活用などを協議 ユニークな現地視察を実施―

|中国

展望台から右手を見ると図們江が静かに流れ、その向こうには北朝鮮の山並みがせまっています。やや下流には親善橋という名の鉄橋が北朝鮮とロシアとを結んでいます。左手には国境の簡単な柵をへだててロシアの大地が連なり、農作業中のロシア人が1人見えました。農家や国境防衛隊の宿舎などが点在しています。

ここは中国吉林省琿春市郊外の防川地域にある展望台です。風がやや強く、5月下旬の気候とは思えないほど肌寒く感じましたが、3国国境はまことにのどかで平和でした。

3国はまさしく指呼の間にあり、図們江は15km下流で日本海に注ぎ、その向こうにひかえる新潟港など多くの日本の港にも流れこんでいるのです。この防川地域は国際協力による図們江地域開発のシンボル的存在といえるかも知れません。

3年前に来た時と比べると、大自然を含むこのような風景そのものに変化はありませんでした。ただ琿春市の中心からの道路の整備が進み、3年前2時間30分を要したのが今回は1時間30分ほどに短縮していました。

途中にある北朝鮮との出入口である圏河税関が立派なビルディングに生まれ変わっていました。中国における経済発展の一端を示すものであり,北朝鮮やロシアとの経済交流が大きな流れになりつつあることを実感しました。

私ども日中東北開発協会は5月17、18日、中国吉林省長春市において「2001年日中経済協力会議・於吉林」を開催いたしました。

これは中国の吉林省人民政府と日本の日中東北開発協会を主催者とし、中国東北地方を舞台として、または対象として、経済交流を進めようという多くの関係者(約150名)が参加して開催されました。

中国側は、地元吉林省の長春・延吉などからだけでなく、黒龍江省、遼寧省の政府・企業関係者が参加しました。日本側は経済団体連合会のほか、日中関係諸団体が共催者となり、経済産業省・外務省・ERINA・JETROのほか青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・神奈川県・新潟県・富山県・長野県・鳥取県・島根県が後援者として協力しました。

日本からこの会議に参加するために総勢77名からなる訪中団を派遣いたしました。団長は日中東北開発協会・古賀会長(日新製鋼相談役)、副団長は吉田副会長(ERINA所長)、普川常任理事(日清製油特別顧問)、児玉常任理事(山九副社長)であり、特別顧問として岡崎瀋陽総理事に御参加いただきました。

総勢77名の内訳としては、70%が企業・銀行、30%が地方自治体・諸団体のメンバーであり、また70%が日本国内、30%が北京、長春、大連、瀋陽など中国内各地駐在の日本企業、地方自治体、諸団体メンバーです。特筆すべきは韓国・ソウルから東龍海運・朴会長がわざわざ参加されたことです。図們江地域開発の進展に伴ってロシア極東・北朝鮮・韓国・中国東北・日本の各地間の交流が発展しつつある状況下、この地域で具体的な航路開拓の営業努力をされている同会長として本会議に関心をもたれ、御出席されたのです。会議終了後、非常に有意義であったとの御感想を寄せられております。

御承知のとおり、吉林省は図們江地域開発の中国における最前線基地であり、今回のテーマの第一は、この開発の進展をふまえた農産物等輸出入の問題や都市間交流促進の問題であります。これに関連して冒頭で御紹介した現地視察を実施しました。

第二は、日本と中国東北地方との長い歴史と豊富でユニークな交流を一層促進するためにITを活用した情報ネットワークを構築しようという問題でした。

全体を通じて今回の会議の成果はまことに大きいものがあったと思います。一言でいえば、上述したとおり広範な多数の関係者に御参加いただき、かつ、相当焦点をしぼった意見交換ができ、実務的な展望にも繋がってきたことです。

この会議は、昨年は遼寧省瀋陽で開催しました。来年は黒龍江省ハルビンで開催することを予定しています。

今年参加されたメンバーの何人かからすでに来年も必ず出席したいとの希望が出されました。

ERINAから提案された本会議に常設の地域協力分科会を設立しようという構想はこのような実際に立脚したすばらしい考えであり、広範な支持を得ると思います。

「地域間の継続的交流」こそ、現実に働きかける大きな力になると思います。