日中貿易における構造変化と競争導入

|中国

過去最高を更新した日中貿易総額

日本の対世界貿易は2000年度に過去最高の貿易総額(輸出入額の合計)は8,618億ドル(輸出4,807億ドル、輸入3,811億ドル)を記録した。ところが2000年度の後半からは輸出入ともに伸びが鈍化してきており、2001年度上期には輸出がマイナス10.9%、輸入も対前年同期比プラス0.7%と低迷している。

この傾向とは裏腹に、日本と中国との貿易取引は活発化している。2001年度上期(1~6月)の貿易総額は対前年同期比12.7%増の436.5億ドル(輸出155.3億ドル、輸入281.1億ドル)と史上最高を更新した。このままいけば通年で2000年度の857億ドルを越え、2001年度(1~12月)では900億ドルを突破する見通しである。

輸出入の構成変化とその理由

この好調な貿易を背景として、中国は日本の輸出相手先として、2000年度の4番手から台湾、韓国を抜き、トップの米国に次ぐ2番手となった。このように対中輸出が増えた要因は、①中国でIT(情報通信技術)関連製品の需要が伸びたこと、とくに半導体を中心にした電子部品などの輸出が増加した、②円安により輸出ドライブがかかったこと、③中国が関税引き下げ行ったこと、などが考えられる。

一方、輸入が伸びた背景には、①中国製品の品質向上、消費者の低価格志向、を受けユニクロなど大手量販店の委託生産などによる低価格高品質商品を調達する動きの加速したこと、②パソコン周辺機器や家電製品など品質が向上し、企業が調達先を中国へシフトしたこと、などがある。

とくに輸入構成において大きな変化があった。これまで中国からの輸入シェアのトップであった繊維製品を機械類が抜いたことである。繊維製品の輸入は対前年同期比プラス7.9%と引き続き伸びているが、これをパソコン周辺機器や家電製品など機械類の輸入の伸びが上回ったのである。これにより日本の輸入に占めるシェアは、機械類が29.3%となり、繊維製品の26.9%を凌駕した。ここからも日中貿易の構造変化が推察される。

競争導入による日中関係の深化

日中貿易の拡大と歩みを一にして、日本の対中貿易赤字も2001年度上期125.7億ドルと拡大しており、引き続き中国は日本にとって最大の貿易赤字先である。この中国からの輸出攻勢に対して、日本側からはセーフガードやアンチダンピングといった対応が模索されている。一方、中国はWTO加盟することにより「競争原理」を国内に導入し、経済の構造改革を行おうとしている。

日本が真の意味で経済の構造改革を目指すならば、中国に対し輸入制限措置ではなく、むしろ積極的に市場を開放し、国内に「競争」を導入していくべきである。なぜならば、日本との貿易の担い手は中国へ進出した日本企業であったり、日本企業がしかけた開発輸入であり、輸出入の増加は日本と中国の国際分業が進展した結果と読み解くことができるためである。もし日本が貿易の拡大と国際分業を通じ中国との相互依存関係を深化させていくならば、日本のみならずひいては東アジアの安定に寄与していくことにもなろう。