―サハリンプロジェクトを目指す地元企業へのアドバイス― 「声だしてこうぜ。」

|ロシア

~巨大プロジェクトの胎動~

今年2月初頭、サハリン州において石油ガス開発の関係者が集まり、プロジェクトの各プロジェクト活動方針と予算配分などが協議された。ロシア側参加者の一人であるサハリン州行政府大陸棚鉱物資源開発部パブロワ部長によると、2002年サハリン-1、サハリン-2ではそれぞれ、7億2,500万ドル(前年1億8,000万ドル)、5億1,000万ドル(前年4億5,000万ドル)の投資が見込まれている。サハリン-2に関してはまた、下半期に予定されるピリトゥン・アストフスコエ鉱区とルンスコエ鉱区の全面開発への事業費が通れば約10億ドルになる見込みとされている。

サハリン州側の発表を見る限り、プロジェクトは順調に進んでいるようだ。しかし、2月7日に実施されたサハリン-2のオブザーバー会議が延々と17時間続いたことからもまだまだプロジェクト推進の道のりは平坦でないことが想像に難くはない。サハリン-2に関してはLNG売却先の選定が難航しており、その結果として今夏着工が期待されていたプリゴロドノエのLNGプラント及び周辺インフラ工事の着工は第4四半期までずれ込むようである。

~受注を狙うビジネスマンたち~

一方、石油の商業化を昨年宣言したサハリン-1は2002年、昨年の4倍の投資を行う予定であり、記者会見でも「エクソン石油ガスLtd.」のダフィン社長自身が連邦レベルの認可が順調に出れば、年内にもチャイボ油田の開発に着手すると述べ、海上掘削リグ「オルラン」の近代化、原油・ガス出荷準備用沿岸総合施設建設に伴う設備調達の大量発注が行われる見込みである。

このような動きに日本の大手企業の関心も集まりはじめている。稚内とコルサコフの間で貨客フェリーを5月~10月に運航している東日本海フェリー(本社・札幌)は今年も来年度事業のセールス活動のため、首都圏の商社を中心に関連企業を回った。その反応は食指を動かさなかった昨年までとまるで違い、輸送のニーズを体感できるほどの感触を得たという。

大手ミル各社も昨年から積極的な対応をしている。2月14日付け鉄鋼新聞でもサハリン-1に関して—ロシア・サハリン沖で産出する原油用パイプライン向けのUO大径鋼管八万トンの国際入札が、3月にも実施されそうだ。口径は24インチ、26インチが中心になる見込み。「今年の後半積みから、大型のパイプライン案件が急減しそう」(貿易関係者)な中で、日本ミル各社の受注に向けた動きが予想される。<以下省略>—と伝えている。彼らがまた様々な見積りを関連企業に依頼しており、プロジェクトに関連する企業の裾野は広がりはじめている。

~北海道企業へのアドバイス~

このような中、我が地元北海道の企業の動きは未だ活発とはいえない。北海道建設新聞社は今年2月14日から5回にわたり、「サハリンビジネスの現状 道内建設企業参入の可能性」という連載を行った(連載内容は同社ホームページで閲覧できます。アドレスはhttp://www.kensin.jp/、表紙の左にある「連載・企画」をクリック)。その中見出しをみて溜息をつく北海道企業。-海外取引は自己責任-、受注の決め手は技術とコスト-、-具体的シナリオを早急に-これで唸ってしまう企業が存続できている北海道は幸せなところだとつくづく思ってしまう。受注の決め手は技術とコストといわれて一歩退く企業から何かアドバイスをと言われても正直、言葉もない。

その一方で十分な技術もあり、コスト競争力もありそうな企業が地元に埋もれているのも事実である。今までの公共事業や国内商売なら待ちの営業でも問題なかったかもしれない。しかし、国際ビジネスではまずPRが重要である。

~声だしてこうぜ~

ここで今回のテーマである。「声だしていこうぜ」。世界の中で札幌、北海道なんて誰も知りません。関心すら持っていない。先日、あるフランス企業の日本人(パリ在住)と話をした。一通り北海道のインフラ状況や主要企業概要、国際交流の状況について説明すると、相手は「私は北海道でそのようなサービスが出来るなんて夢にも思っていませんでした」と。それほど難しくない内容であり、北海道内でも日常茶飯の業務なのに。日本で生まれた彼でもそのレベルである。いわんや、欧州や米国の企業が北海道の企業のことなどビジネスパートナーとして思い浮かべることなどあろうはずがない。‥と認識するべきである。ある港で2002年から24時間体制にするという。そんなこといくら日本の新聞で発表していても、積極的に関係者にPRしなければ、貨物中継候補地の選考リストにもあがるはずはないのである。とりあえず「声だしてこうぜ」。今年の目標はこの一言である。声を出さなければ相手に認識もしてもらえないということを肝に銘じなければならない。

また、声を出していれば、前に進まなければいけないという責任感も出てくる。そして声を出すというのは、周りを元気にさせるという効果がある。狂牛病や雪印問題など最近、良いニュースのない北海道企業復活のキーワード「声だしてこうぜ」。空元気(からげんき)も元気のうちだ。