shanghai

|中国

英語が得意という商社マンにshanghaiが英語の他動詞でもあることを知ってるか?と訊ねたが知らないという。辞書で引くと「(水夫にするため)麻薬をかけて(酔い潰して)船に連れ込む、誘拐する」とある。かっての港町上海での出来事が語源なのかどうか…。

ところで、他動詞でないShanghai(上海)の方は、ご承知の通り「世界の工場」として、「大市場」として世界が注視する「中国」の経済の中心地である。先日、その上海への視察団をお世話したとき、成田―上海のフライトが非常にタイトなのに驚かされた。原因は増便しても追いつかないほど乗客が増えていることにあるらしい。勿論、現地のホテルも大繁盛である。

つい数年前までは、中国の対外開放の中心は広東省を中心とする華南地域であり、日系企業も進出している。多くは香港・台湾企業であるが、その台湾企業の最近の進出地は上海とその周辺を含む華東地区に流れを大きく変えつつある。

この華南から華東へのシフトの主な理由は華東地域の急速な経済発展にあるが、それ以外にも背景がある。

台湾地区電気電子工業組合が行った「中国の主要都市と地方都市に対する投資環境調査とリスク調査」(2001年ダイジェスト版)によれば、

都市の「競争力ランキング」を高い順番に並べると;
①上海 ②北京 ③広州 ④深セン ⑤天津 ⑥南京 …と誰でもが納得する都市名が並ぶ。

次に、「投資環境分析ランキング」を見ると;
①呉江 ②寧波 ③杭州 ④昆山 ⑤奉北 ⑥上海 ・・とあまり著名でない都市も含め華東地区の都市が上位に並び、華南地区の広州は33位、深センは39位、東莞に至っては44位と最下位である。

更に、「投資リスク分析ランキング」でも;
①呉江 ②済南(山東省)③福州 ④恵州 ⑤保定 ⑥石家庄(河北省)・・と来て、広州39位、深セン41位、珠海43位、最下位は東莞の44位であり、華南の都市が下位に甘んじている。

この調査報告は、台湾電機産業をメインとし、その他の産業も平均的に取込んだアンケートに基づいており、最後に「本調査における推薦都市」(優先的に推薦、推薦してよい、現時点では推薦しない、絶対推薦しない)を列記して台湾企業の大陸進出の指針を提供している。リスク環境ランキングで最高位にある「呉江」はメジャーな華南都市を反面教師として投資環境を改善し、台湾企業のみならず多くの外資の誘致に成功した。前年の調査と比べて行政の努力でリスク環境の改善が著しくランクが大幅にアップしている都市も少なくない。この調査の本来の狙いは正に「大陸の各都市の政府当局が、競って積極的に投資環境を改善し、投資リスクを減らし、進出企業の権益が保護される」ことにある。

このところの華南から華東への外資進出のベクトルにはこのような背景もあるのである。

(以上)