第2回6者会談、カーン博士、第2制服…

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朝鮮半島核問題をめぐる第2回6者会談が2月25~28日に北京で開催された。7項目の議長声明において6者の「合意」と表現されたのは、「核問題および関連する関心事を取り上げるうえで相互調整された措置を取ること」、対話継続および作業部会設置の3つである。実質的協議がようやく開始されたという段階であろう。

その後、米国は、朝鮮半島で「連合戦時増援演習」と「フォール・イーグル」合同軍事演習を実施し、今秋のイージス艦朝鮮東海(日本海)配備、米第2師団の漢江以南への再配置などを表明している。日本は、米国とのミサイル防衛システム構築に積極的に臨むとともに、外為法改正、特定船舶入港禁止など対朝鮮制裁に向けた動きを続けている。

朝鮮側は、米国の対応を「第2次朝鮮戦争」に向けた準備を着々と進めているものと見なし、特にこの動きに日本が合流(便乗)していることに警戒感を露にしている。「米日の戦争策動」に対応するため抑止力強化への意を強くし、「必要な時期に決定的な自衛的措置をとる」と公言している(外務省スポークスマン)。

米国側の強硬姿勢によって当面の核凍結に合意できなかったことが、最悪のシナリオにつながる可能性が増している。

不可逆的な核放棄と不可逆的な不可侵保証の交換という結実に向けて、濃縮ウラン核兵器計画の存在いかんが焦点である。第2回6者会談でも争点になると思われたが、直前にパキスタンのカーン博士証言なるものが出てきた。イラク戦争開戦に際した情報操作の露見とあいまって不利な状況にあった米国側にとって追い風になったわけだが、肝心のカーン博士の対朝鮮証言の正確な内容は公にされていない。米国はこれまでウラン濃縮計画存在の根拠を示していない。米国の情報能力が、特に朝鮮半島で万能でないことは、かつての「地下核施設疑惑」などで実証済みである。

米国側首席代表のケリー国務次官補は、会談では準備された原稿だけを読み、会談期間中には記者団に対し発言せず、会談終了後の記者会見でも入場制限を行なった。米政府内の調整不足により既存の強硬方針だけが生き残ったようである。

外為法改正も特定船舶入港禁止も「拉致問題」解決という錦の御旗が掲げられているが、10年ほど前に米国側から出された宿題の一部に過ぎないのではないだろうか。2月初め、かつて宿題を出した当事者が法案成立に尽力している政府および自民党首脳に会って、その労をねぎらった場面が象徴的であった。

圧力や情報操作によって問題が解決されるとは思えない。急進展した朝日関係が平壌宣言以後、逆に停滞しつづけていることから教訓を得るべきである。圧力が足りなくて進まないのではなく、圧力政策を採用したため進まないのである。

朝鮮では最高人民会議が3月25日に開催され、KEDOの重油提供中断で打撃を受けたはずの2003年電力生産が前年比20%増、また工業総生産額が同10%増であることなどが明らかにされた(内閣報告)。ERINAサイトのオピニオン欄で朝鮮半島を担当しながら、朝鮮の経済立て直しや南北朝鮮の経済交流、東北アジア経済協力問題に言及できず、最大の懸案であるとはいえ、政治情勢に関する文章を書いていること自体が残念である。

私事であるが、娘が中学に進んだ。東京所在の朝鮮学校中等部、わが母校への入学を喜ぶと同時に複雑な思いを経験した。入学に際し2種類の制服を購入したのである。制服であるチマ・チョゴリで通学するのは危険なので、通学時にのみ着用する「第2制服」なるものが存在することをみなさんはご存知であろうか。