「中国経済の過熱をいかにコントロールするか」

|中国

中国の北京市では外国企業顧問会議というのを毎年開催されておられます。今年は先日5月20日に開催されました。今回の顧問会議の主要テーマは「オリンピックと都市開発」でありました。いつもの通り北京市の王岐山市長がスピーチをされ、その中で王市長はオリンピック開催と都市開発には自信を持っておられる一方、この挑戦とは別の意味で、社会問題に対する警告、とりわけ急速な経済発展が引き起こす電力問題の悪化、水不足問題と避けられない水道料金の値上げ、またそれらを解消されようとすると引き起こす大気汚染や汚水処理など環境問題、そして都市化の中で社会の変化についていけない農民問題など、実に率直な意見を述べられています。

中国の今年一~三月のGDPが前年同期比9.7%増という結果となり、改めて中国経済の過熱に対する懸念が最近クローズアップされるようになってきました。需給関係を無視した過剰投資が国全体に広がり、その結果電力不足や資材の高騰などの弊害が日常の経営課題として深刻化されてきました。これが続きますと中国経済そのものがバブル崩壊する恐れもあります。この過剰投資の典型は素材産業であり、特に鉄鋼産業では前年に比べて172%と異常な拡大であるといえます。電機業界においても、以前より白物家電を中心に慢性的な在庫過剰状態にあり、昨今の素材価格の高騰に見舞われても製品価格に転嫁できずに、収益性が圧迫を受ける状況が拡大しています。また、この中国経済の過熱が中国国内の問題にだけ影響を与えるのではなく、グローバルにコンテナ不足と輸送コストの増大を招いたり、石油価格の高騰につながるなど、世界経済に及ぼす影響も無視できないまでになっています。

中国政府としてもこの経済を軟着陸させるために、金融引き締めなどの策に乗り出そうとしていますが、やり方を間違うと一気にバブルを崩壊させる可能性があります。まず必要なのは、特に地方政府が独自に展開している不要不急な開発投資をいかに中央政府がコントロールできるかということが重要ではないかと感じます。先般、北京で行われました北京国際科学技術産業博覧会を見ますと、確かにハイテク技術に焦点をあてたブースもありましたが、地方政府による開発工業区の誘致ブースが非常に目だっていました。

地方政府それぞれで産業を誘致し、経済発展を目論んでおられるというのはよく伝わってくるのですが、その多さに改めて驚くとともに、地方政府のエネルギーをどう中国全体でコントロールできるかということが極めて重要であろうと感じています。

しからば一企業としてどういう対応をするべきかということですが、やはり昨今高まってきている中国のリスクに対し、当社がSARS問題が発生したときに功を奏したアジアとの補完戦略が機能するのではないかと思われます。当社にとって、中国事業は非常に重要であり、中国で勝つことがグローバル戦略上極めて重要であるとの考え方で中国事業を強化しておりますが、決して中国一辺倒であってはいけないと考えています。昨今のFTAの進展などを見据え、鳥瞰的なグローバル拠点戦略、とりわけアジア・中国全体での広域アジア戦略がリスクマネージメントの観点からも必要であります。

しからば一企業としてどういう対応をするべきかということですが、やはり昨今高まってきている中国のリスクに対し、当社がSARS問題が発生したときに功を奏したアジアとの補完戦略が機能するのではないかと思われます。当社にとって、中国事業は非常に重要であり、中国で勝つことがグローバル戦略上極めて重要であるとの考え方で中国事業を強化しておりますが、決して中国一辺倒であってはいけないと考えています。昨今のFTAの進展などを見据え、鳥瞰的なグローバル拠点戦略、とりわけアジア・中国全体での広域アジア戦略がリスクマネージメントの観点からも必要であります。