韓国の仁川経済自由区域の戦略的意義と課題

|朝鮮半島

韓国の経済自由区域は外形上、シンガポール、香港などをベンチマークしているように見られるが、内容面では21世紀型の経済特区を志向していると評価できる。伝統的な意味での経済特区は関税適用が猶予される特定地域(いわゆる関税自由地域)を意味し、無関税輸入品の国内搬入を防止するために関税自由地域と国内の他の地域を遮断する処置をとるのが一般的である。韓国の馬山自由輸出地域、中国の深セン-上海特区などがその代表的な例である。物理的な区分が必要な関税自由地域は小規模にならざるを得ないし、そのため経済活動も高付加価値の核心部品を生産する業種ではなく、単純加工組立業種が主に入居することになる。既存の関税自由地域は国家経済全体の発展水準が低いため、全地域を対象にする自由化措置を実施しがたい状況のなかで、低賃金を利用しようとする外国企業を誘致するために設置されたものである。

韓国の場合、高付加価値サービス中心の産業構造に改編しなければならない状況にあり、このような状況においては特定地域を対象とする単純加工組立中心の関税自由地域はあまり意味を持たない。すなわち、単純加工組立中心の関税自由地域よりは、韓国の産業構造、経済現実に相応しい形態の経済特区が必要である。関税上の特恵を与える方式の特区は現在の韓国経済の現実には相応しくなく、国際水準のサービス業を誘致できる形態の経済特区を設置すべきである。

このような側面からみると、仁川経済自由地域が国際業務(ビジネスハブ)、物流、金融、観光レジャーなどのサービス業中心の経済特区としての発展を目標に設定したのは、21世紀の韓国経済が進む方向を提示し、それを先導していく意味があると評価できる。韓国経済においてサービス業が占める比重は72%であり、時間が経てば経つほど比重は高くなるであろう。サービス業の成長がなければ所得2万ドルの実現は事実上不可能な状況であり、新規雇用もサービス業の拡大を通じて創出されると考えられる。

仁川地域は北朝鮮とも接境している地域であり、北東アジアの中心地域であるという側面からみて、経済自由地域の繁栄は朝鮮半島の安定および統一にも寄与する。経済自由区域に多くの企業が入居し、外国人が居住するようになれば、戦争のような武力衝突に対する抑制力も発揮するようになるし、一方では、北朝鮮の経済開放を誘導するのに寄与するであろう。

北東アジアの経済中心は特定地域の経済特区化だけでは達成できない。当然ながら、全国土が特区化できるように先進化された経済制度を構築すべきである。しかし、今すぐそれを推進することは難しいので特定地域を中心に経済自由区域が設置された。経済自由区域の成功は韓国経済の先進化および自由化を先導していくだろう。仁川経済自由区域は地理的に北東アジアの中心に位置しており、仁川空港と仁川港を擁しているので他の地域に比べて地理的な条件が有利である。

韓国政府は北東アジアの経済中心、北東アジア時代の中心国家に発展するという戦略を立てているが、それを短期的に接近させるためのロードマップや実行計画(Action Plan)はまだ提示されてない。すなわち、中長期目標に対する内容は簡単に接することができるが、今から何をどのように推進することで中長期目標を具現するかについての内容は探しにくい。北東アジアの中心都市である仁川からまず21世紀型の経済特区を実現し、未来の韓国経済のモデルケースとして発展させるべきである。

[ERINA翻訳]