ウォン為替レートの切り上げと韓国経済

|朝鮮半島

今年に入ってからの韓国ウォンの切り上げ速度はただごとではない。ウォンは1月4日に1ドル=1,000ウォンを突破し、1月の1か月間に4.9%切り上がった。同じ期間、ユーロや円がそれぞれ2.7%、0.4%切り上がったのに比べ、ウォンの切り上げ速度はかなり速い。

為替レートがこのように急落すると、韓国はすぐ輸出を心配するようになる。輸出がGDPの約40%を占めるほど、韓国経済の輸出に対する依存度は大きいからである。実際に2004年、2005年の極めて厳しかった内需不振のなかでも経済成長率を4~5%の線で維持したのには、輸出が決定的に寄与している。今年は内需が回復はしているものの、その速度が早くはないため、輸出に大きく期待している。

為替レートの下落は自国輸出品価格の引き上げの効果を招き、輸出の価格競争力を落とす役割をする。しかし、最近の韓国の場合、為替レートの下落は輸出価格競争よりは輸出採算性により大きな影響を与えている。即ち、ウォンが切り上げられた2004、2005年に韓国はそれぞれ31.0%、12.2%の高い輸出増加率を記録した。このような現状は、最近の輸出構造の高度化で輸出経済力が過去のように価格競争力に依存するよりは、品質並びに技術競争力により依存しているためであると理解できる。

輸出企業の採算性は大きく悪化している。例えば、韓国企業の輸出採算性は為替レートが急落し始めた2004年第4四半期から、2005年第4四半期まで5四半期連続、前年同期比でマイナスを記録、韓国の主力輸出企業である現代自動車とサムソン電子の営業利益は2005年第1~3四半期の間、前年同期比、それぞれ36%、43%減少した。

特に主要輸出産業である電気電子産業の場合、ドル決済比率が80%を占めているため、為替レートの下落は直接的に収入の下落につながっている。

このような輸出企業の採算性悪化は結局、経済成長を鈍化させる要因として作用してしまう。即ち、企業の採算性悪化が持続してしまうと、企業の投資意欲が減退し、設備投資の減少につながってしまい、他方では企業の費用節減強化によって雇用条件が悪化し、雇用悪化は消費を萎縮させるなど、悪循環が生ずる。ここから、ウォン高は輸出減少の直接的な経路よりは、輸出採算性悪化による投資と雇用の減少など間接的な経路を経て、経済により大きな影響を与えると言える。

したがって、ウォンの切り上げに対処するのにあたっても、このようなメカニズムが考慮されるべきであると思う。政策当局は企業の採算性に影響を与える為替レート水準を随時把握し、為替レート防御の支持線になるようにしなければならない。政府が為替レート変動に介入することは、容易でも正しくもないが、政策当局が為替レートの変動速度を調節することは決して市場を偽ってゆがめる行為ではないと考える。堅実な企業が急な為替レートの変化によって自身の経営活動と関係なく、克服できない損失をこうむることは、政府がただ見ていられることではない。

とはいえ企業が政府だけを頼りにして、為替レート変動に対する対策を怠ることは決して許されない。ウォンの切り上げにむかって企業が採算性を維持するためには、切り上げ幅に相当する輸出単価を引き上げたり、生産費を節減したりしなければならない。輸出単価の引き上げによっても注文の減少がないくらいに、輸出品の品質競争力を維持することも重要であり、生産費の節減のためには、ウォン切り上げ時には賃金引上げを自制する労働者と会社間の和合も必要であろう。

[ERINA翻訳]