南北関係発展への土台―南北関係発展法

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今年6月30日、韓国では、南北関係の発展史において画期的で重要な法律が発効された。いわゆる「南北関係の発展に関する法律」(以下、南北関係発展法)がそれである。全部で23条からなるこの短い法律がもつ意味と、今後の南北関係発展に及ぼす影響はまさに大きなものと予想される。

2000年の南北首脳会談後、南北は互いの存在を認めたうえで、交流と協力を通じて信頼を回復し、和解と共同繁栄に向けた努力を傾注してきた。その結果、南北間の対話が増え、各分野での交流協力も活発にしている。特に、2005年に至っては、年間に南北間を往来する人員が分断後60年間の往来人員を上回る9万人に近づき、また年間交易額も10億ドルに達している。このように変化しつつある状況にあって、南北関係発展をさらに促進させるため、それを支える制度的・法的措置整備の必要性が切実になったことが、同法律が生まれた背景である。

1990年以後、民間レベルでの交流協力への手続きを定めた「南北の交流協力に関する法律」によって南北間の人的往来、物資の交易などを規定してきたが、この法律は南北関係の現実を包括的に規定するものではなかった。南北関係発展法は、南北関係発展の基本原則をはじめ、南北関係、(韓国)政府の責務、南北会談代表の任命および南北合意書の締結など、南北関係の発展に向けての基本的事項が定められている。

つまり、この法律には、これまで明確な法的根拠なしに行われてきた南北会談の代表と、対北朝鮮の特別使節を任命する根拠および手続きが備えられ、南北合意書の締結・批准など対北朝鮮政策とかかわる手続きも明示されている。よって、今までの「統治行為」の領域にとどまっていた対北朝鮮政策を、「法治行政」の領域に転換させ、透明な政策推進への土台を築くと同時に、今後の南北関係発展の法的な安定性を確保するのに大きく寄与するものと期待されている。

またこの法律は、南北関係を「国家間の関係ではなく、統一を志向していく過程において暫定的に形成される特殊な関係」として規定している。このことは北朝鮮の政治的実体を認める代わりに、憲法上、国家間の関係とは認められず、現実的に内国関係とも捉え難い点を考慮に入れた開放的な概念である。その一方で、南北間の取引の性格については「国家間の取引ではなく、民族内部の取引」とし、南北交易において関税を賦課できないよう、法的根拠も設けている。

その他、この法律では、南北関係の発展に向けた政府の責務として、朝鮮半島の平和の推進、南北経済共同体の実現、民族の同質性の回復、人道的な問題の解決、北朝鮮への支援、国際社会での協力の推進等を規定している。特に、統一部長官はこの法律に従い、南北関係発展への中長期的ビジョンの提示に向けて、5年ごとに「南北関係の発展に関する基本計画」を立案することとし、また、予算が伴う基本計画は国会の承認を得ることとされている。これによって、対北朝鮮政策が事案ごとに具体化され、国内の政治状況変化に影響を受けることなく、中長期的ビジョンを一貫して推進していく条件が整えられたように思われる。なお5ヵ年の基本計画を審議する場である南北関係発展委員会に国会議長を推薦する人事を含め、民間専門家の参加を保証し、対北朝鮮政策の立案の段階から国民的な同意を得るようにしている。

過去の東西ドイツの間で締結された基本条約と、それを履行するための各種の法律が、ドイツ統一の法的基礎になったように、「南北間の和解と不可侵および交流協力に関する合意書」(1992年に締結)の主な内容とその精神を反映したこの法律が、南北間の信頼と平和共存を深化させ、さらには統一を支えていく確かな土台になることを期待したい。

[ERINA翻訳]