5.31韓国地方自治体選挙と南北関係

|朝鮮半島

5月31日に行なわれた地方自治自体選挙は、与党大敗という結果に終わり、政界再編の様相を呈している。7大市長と9都道知事のうち与党ウリ党が取れたのは1つのみで、首都圏のソウル、京畿道のみならず、首都機能移転先として支持を高めた中部圏まで落としてしまった。この選挙結果が、来年大統領選を控えた盧武鉉政権の今後の政権運営と南北関係にどのような影響を与えるのかを考えてみた。

まずは、南北関係の視点から選挙結果をどのように見るかという点である。今回の結果は「野党ハンナラ党の勝利」というよりは「与党ウリ党の大敗」という点に注目したい。朝鮮は今回の選挙結果を、6月3日付の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」を通じて、「6.15支持勢力と反対勢力との対決」と規定し、今回の選挙結果は「南朝鮮の為政者に対する人民の厳しい審判」と位置づけ、国内問題で実績を残せず、人民の支持を得ていない与党を厳しく批判したと言える。また、人民の利益に基づき「6.15共同宣言」、「わが民族同士」の理念を守り、継続して南北関係を推進させるよう強く求めたと言える。また、野党ハンナラ党に対しても「野党ハンナラ党の勝利」ではなく、「人民の勝利」であるとし、ハンナラ党に対しては、すでに国内で「人民の審判」が下っていると厳しく指摘した。先日、光州では6.15共同宣言発表6周年を記念し、南北の代表が一堂に会して「民族統一祝典」が盛大に開催された。今回の選挙結果は、南北和解に反対するハンナラ党が勝利したのではなく、国民の利益に立って真摯に南北の和解を推し進める事を与党に厳しく突きつけた結果と言えるのではないだろうか。

次に、選挙結果が今後の南北関係に与える影響である。地方自治体選挙でありながらも、与党大敗という結果が、大統領選を控えた盧政権に大きなダメージを与えたことは言うまでもない。「同盟」より「同胞」という方針で、対米関係よりも対北関係を重視してきた盧政権の対外政策にかげりが見られるという見方もあるが、今後の大統領選までの政権日程を考慮すると、盧政権の挽回策として対北関係をさらに推進させることも考えられる。もちろん、経済格差等、重視すべき国内問題も山積されている。しかし、盧政権はこれまで朝鮮半島の非核化のために「北を追い込む」のではなく、「北と対話をする」という姿勢を崩していない。南北朝鮮が和解することによって、朝鮮半島の平和と安定に向けて、ブッシュ政権に対朝鮮政策の見直しをさせる名分を与えたいというのが、盧政権の本心ではなかろうか。先日、朝鮮のミサイル発射準備報道に伴う金大中前大統領の訪朝延期が発表される等、一時的な停滞も予想されるが、大統領選挙に向けて再び南北関係が大きく動き出すと考えられる。

5月17日、在日同胞社会でも歴史上初めての和解が実現された。朝鮮総連と韓国民団は対立の歴史に終止符を打ち、在日同胞社会の大同団結に向けた歴史的な共同声明に署名した。一在日3世の立場から、この共同声明を心から歓迎したい。そして、南北朝鮮の和解と共に、在日同胞社会にも真の意味で6.15新時代到来を期待してやまない。