中国経済、高度安定成長への課題

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改革開放後の中国企業の発展のポイントは主に2つある。1つは中国が長く経済的に未発達だったことから、十分な市場需要が経済の発展を支えるということ。もう1つは低コストがバックアップしていることである。1990年代の後半、中国経済はすでに不足経済から過剰経済に転じて、需要が減り、最初の挑戦=不足経済がなくなったことに遭遇して、多くの企業が淘汰された。しかし、低コスト要素の存在と、中国がさらにグローバル経済に融合してきたことも加えて、中国経済は依然として高成長を続けた。最初の挑戦では、粗放型経済の成長方式は全く変わっていない。現在、中国経済は第2の挑戦=高コスト時代に入り、粗放型経済の成長方式の変換が必要とされる。

生産のコストが高騰している。けん引役となったのは工業生産の大幅な伸びで、ビル建設や設備投資など、政府と民間を合わせた固定資産投資は大幅に伸びた。この成長には大量の資源が必要とされる。中国は“資源有限”時代に入り、原材料、エネルギーなどの輸入量の海外依存度は毎年高まる一方である。2003年、中国の鉄鋼使用量は2億6,000万トンで、世界の鉄鋼生産(7億2,000万トン)の36%を占め、石炭は30%、セメントは55%と飛びぬけている。電力需要の成長も発電量を上回り、外資系企業の多い浙江省など7省で電力需給が逼迫する状態だ。

GDP総額をみれば中国は世界の3.3%に過ぎないが、一方、資源の大量消費は効率の悪さや質的な問題を物語っている。効率の悪さは、生産の効率性だけではなく、悪化している環境をさらに破壊することも伴う。現在、中国の生態・環境が負う負担は極限に近く、環境改善のコストも上昇しつつある。社会の安定・発展のコストも高騰している。2003年、1人当たりのGDPは1,000ドルを超えた。これは中国の経済・社会の発展にとって新しい「関門」を乗り越えたことを意味する。この時点で、経済成長に生じた問題は社会矛盾を激化する可能性が大きい。たとえば、収入格差の拡大、高失業率、深刻な腐敗問題などである。過熱気味の沿岸部の大都市に対し、内陸部を中心とした農村部は収入が依然として低迷し、深刻な状況を見せている。2002年、都市と農村の収入格差は2.8倍だったが、2003年には3.5倍にまで拡大した。低収入に耐えられなくて都市に入る農民が後を絶たない。バランスの取れた発展のために、農村の増収対策は急務である。さらに、中国の農村には1.5億の無職人口があり、都市には1,100万人以上の失業者の再就職問題がある。これらはまた社会の不安定という問題に繋がる。

中国が今後も持続した安定する成長を目指すためには、量的拡大よりも、効率や質の向上を重視した持続可能な成長へと転換し、技術、制度などの面から先進国から学ぶべきである。