中国東北三省の不良債権処理が難航

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東北地区の金融機関が「東北振興」の過程においてより良い役割を果たすには、先ず、現在抱えている莫大な不良債権問題を解決しなければならない。確実なデータがないが、関係資料から推計すると、2003年末までに全国の主要金融機関における貸付残高は13.7兆元、東北三省は1.35兆元で全体の9.8%を占める。一方、全国の不良債権残高は2.44兆元、東北三省は3,100億元、全体の12.7%を占め、全国の主要金融機関の不良債権比率は17.8%だが、東北三省では23%、全国平均水準よりも6ポイントも高い(そのうち、黒龍江省、吉林省は問題が特に深刻で、不良債権率が30%を上回る)、全国でも不良債権問題が深刻な地域だ。

現在、東北旧工業基地が過去の諸問題で積み重ねてきた不良債権の削減が期待されているが、現状では、その処理は期待したほど進まず、様々な要因に制約されているようである。中国華融資産管理公司や中国信達資産管理公司が相次いで、国内外に向けて資金募集し、一部の東北の不良債権処理に着手すると発表したが、どちらも総額100億元以上にのぼり、処理の成り行きは明るくない。華融ハルビン事務所は、処理する不良債権総額のおよそ2/3に当たる58億元の債権と2億の現物を売り出し始めたが、今段階では競売などの形で約1億元しか売れていない。同様に、長春の信達資産管理有限公司でも、70億元の不良債権処理が滞っている状態だ。

処理価格の合意ができないことが、不良債権処理が進まない一番の要因となっている。資産管理公司は、設立以来、相対的に良いものから先に処理して、その量が次第に減少した結果、残った分の競売のスピードも下がっている。四大資産管理公司(AMC:Asset Management Company)が買い取った不良債権は、主に無担保貸付、あるいは4年以上の不良貸付で、その中に回収しやすい不動産貸付は7%しかなく、大部分は製造業のものである。

現在、資産管理公司には時間と利益という二重の圧力がかけられている。2006年が不良債権処理の最後の期限だが、東北はまだ何千億元もの不良債権を抱えていると見られている。一方、巷では、不良債権が相場より安く取り引きされたという議論も起きている。東北地域の何千億元もの不良債権は処理されるべきだが、中国では毎年の不良貸付を償却するための予算が500億元しかないため、その全てが東北に使われたとしても、まだ大きく不足している。

東北の立場から見れば、企業の重荷をおろすために、できるだけ多くの不良債権が処理されることを希望しているのはもちろんであるが、一方、中央の立場では、不良債権の償却にはもっと予算を設けなければ無理だろう。他の面での支出を削減しなければいけないわけである。また、東北を優遇すれば、必ず他の省から異議が出るなど、中央政府は慎重に考える必要がある。

中央政府の政策・資金面での支援は、外からの力に過ぎず、1つの地域の経済が繁栄と発展をするためには、優遇政策だけに頼っていてはいけない。国に与えられた優遇政策を活用する上で、いかに地域自身の発展能力を向上させるかが、東北三省が解決しなければならない課題と考える。