プーチン・ロシアが提唱する国際核燃料センター構想

|ロシア・モンゴル

今年の主要国(G8)首脳会議は、7月にロシアの古都・サンクトペテルブルグで開催される予定である。議長国のロシアは、得意のエネルギー問題を主要議題に据えて、国際社会に対して、自国の存在感を積極的にアピールする積もりである。

さて、ロシアでエネルギーといえば石油・天然ガスを想起しがちだが、原子力の分野でも世界トップレベルの水準にある。ここ数年のエネルギー価格の高騰を背景に、再び、原子力に対する関心が世界的に高まっており、7月のG8サミットでも、原子力問題が一つの焦点になると思われる。

議長国のプーチン・ロシアが、原子力問題でどのような提案をしてくるのか?これに関して、今年1月25日、サンクトペテルブルグで開催されたユーラシア経済共同体首脳会議において、プーチン大統領自身が行った次の発言に注目すべきだ。

「我々は、安全保障を多面的なコンセプトと捉えている。それは、綿密に考えられた複合的なアプローチを必要とする。ロシアは、このような立場に基づいて、ユーラシア経済共同体の枠組みの中で、世界的なエネルギー安全保障(global energy security)に関する協力にしっかりと関与している。この分野での優先事項の一つは、核エネルギーの平和利用に関する協力を発展させる事である。

この分野での協力は我々全てにとって、現実の新たな機会の扉を開くだろう。カザフスタン大統領との合意を踏まえれば、ロシアとカザフスタンの核エネルギー関連企業が協力を拡大する具体的な計画が描かれつつある。

ウズベキスタンのユーラシア経済共同体への加盟は、長期的なエネルギー供給政策の信頼すべき要素として寄与するであろう核燃料部門を設立する更なる新たな機会を生み出している。

質の良いエネルギー供給に対する需要が絶えず増大している今日、この分野において、我々の国々の潜在的可能性を最大限に開発することは特に重要である。次第に先細りする化石燃料埋蔵量と環境の問題が、きわめて重要な国際的課題となっている。

我々は、全ての関係諸国が平等なアクセス権を与えられる世界的インフラの原型を創設する必要がある。勿論、不拡散レジームの要求を確実に遵守することを強く主張しつつであるが。

どの国に対しても差別なく、IAEAの管理化の下で、濃縮サービスを含む核燃料サイクルのサービスを提供する複数の国際的なセンターを創設することは、この新たなインフラの発達において鍵を握る要素となりうる。

ロシアは正にこのような提案を既に行っており、自国内にこの種の国際的なセンターの一つを立ち上げる準備がある。

この点で、新世代原子炉とその燃料サイクルを創設する為の革新的な新しい技術が求められるのは間違いない。

これらの問題は広範囲な国際協力を通じてしか解決できない。これこそが、ロシアが議長国を務めるG8サミットの参加国並びに核エネルギーの平和利用における全てのパートナーに対して我々が提案するアプローチである」

この≪国際核燃料センター構想≫の戦略的意義を過小評価してはならない。その背後にあるプーチン・ロシアの真の狙いを早急に分析する必要があろう。