金猪年・ベビーラッシュは高齢化現象を食い止められるか

|中国

昨年、仕事のために中国へ飛ぶこと23回。年に23回も中国を訪れるということは、私にとって決して珍しいことではありません。しかし、昨年は中国へ行く度に、行く先々でかならずと言っていいほど、結婚式に出くわすので、どうしてなのだろうと不思議に思っていたところでした。

ところで、この前、上海より福岡に戻るフライトの中で、中国の新聞「東方時報」の記事を読んで妙に納得させられました。なるほど、中国では2007年は60年に一度しか訪れない「金猪年」のだと言うのです。ご存じのように、もともと、中国では古代より「猪」は「財富」の象徴とされてきました。例えば、皇帝が亡くなられ、あの世へ行っても、権力、金銀財宝に恵まれるようにと、身体には「玉衣」を着せ、口には「玉蝉」(蝉は蘇りのシンボル)をくわえさせ、手には「玉猪」を握らせながら、様々な副葬品と一緒に埋葬される習わしがあるというのはご周知のとおりです。

今年は「金猪年」にあたるということで、生まれてくる我が子が幸運に恵まれるようにと、中国の新婚女性達はこぞって「金猪年」に出産しようとしているらしく、北京、上海などでは、今年に生まれてくる赤ちゃんの数が昨年の倍になる見込みで、産婦人科関係者は人手不足に危機感を募らせているというのです。そして、悲鳴を上げているのはどうやら、産婦人科だけにとどまらず、教育現場においても、若い女性教師の出産が増えているため、臨時教師の確保に大荒のだそうです。

さてさて、話しの角度を少し変えますが、ご存じのように中国は世界一人口が多い国として、70年代末頃より、独りっ子政策を実施してきました。以来、はや30年近くとなり、人口増加の抑制ということからみれば、ある意味で大きな成果を成し遂げてきたことが言えるでしょう。

けれども、今となって、人口構成のふたをいざ開けてみると、中国はものすごいスピードで高齢化社会に突入していることが分かってきました。94年頃には、60歳を超える人口が総人口の7.4%だったのに、2005年には11%を超え、そして2030年にはなんと30%に、2050年には50%に達し、つまり総人口の半分が高齢者となるというので、中国社会に大きな波紋を広げています。

人びとの生活水準が高められ、医療水準も高くなってきたことによって、中国でも平均寿命がどんどん長くなってきています。このままで行くと、一対の若夫婦は4人以上のお年寄りの面倒を見なければなりません。しかし、中国ではどこの家庭も共働きなので、親が年老い、もしも病気になったり、或いは寝たきりになったりしても、介護する人がいないのです。

今、日中両国において、様々な交流が行なわれていますが、早いうちに高齢化問題に関する交流を積極的に展開し、日本で蓄積している高齢化対策ノウハウを、中国の高齢化問題の解決に活かされることを願っています。

さてさて、話しは戻りますが、中国が「金猪年」なら、日本は「金鼠年」でも作って、子だくさんの鼠さんにあやかって、来年はたくさんの赤ちゃんが生まれるように祈りたいものですね。