第三次「極東ザバイカル地域長期発展プログラム」への期待

|ロシア

1997年10月、ハバロフスクで「日露極東経済協力ワークショップ第1回会合」が開催された。この背景には、1996年4月に採択された「極東ザバイカル地域長期発展プログラム1996~2005年」の円滑な実行と、日露経済協力が実現する為に具体的に日露共同プロジェクトを発掘することがあった。

その後ロシア側から提案された60以上のプロジェクト・リストから、日本側関係者による度重なる作業の結果、日露協力事業として13プロジェクトを選定し、この内6プロジェクトを最優先プロジェクトと位置付けることにした。

1997年11月クラスノヤルスクで開催された橋本首相(当時)とエリツィン大統領(当時)による日露首脳会談で、2000年までに北方四島問題を解決し日露平和条約が締結されることが約束されたこともあって、ワークショップ会合は積極的かつ頻繁に行なわれるようになり、当事者間の距離は急速に接近した。

然し、日露双方の努力にも係わらずどのプロジェクトも成約には至らなかった。その最大の理由の一つは、「極東ザバイカル地域長期発展プログラム」が大統領プログラムのステータスを得ながら、連邦政府による財政面・制度面等の適正な援助が行われなかったことである。

1996年に採択の「極東ザバイカル地域長期発展プログラム1996~2005年」は、2002年3月に内容を一部修正し、対象の期間を2010年まで延長し「極東ザバイカル地域長期発展プログラム1996~2005年及び2010年」として連邦政府の承認を受けた。連邦政府は修正した理由を、プログラムの所要資金が非現実的な規模と思われたこと、実施にいたるメカニズムが殆ど機能しなかったことを挙げている。

2007年8月2日連邦政府閣議において、「極東ザバイカル地域長期発展プログラム2013年まで」が基本承認され、第三次極東ザバイカル地域発展プログラムがスタートした。

この10年でロシアを取巻く客観情勢は大きく変化し、ロシアの東方政策にも腰が入ってきている。ハイリゲンダム・サミットにおける日露首脳会談(6月7日)では、安倍総理はプーチン大統領に対し「極東・東シベリア地域における日露間協力強化に関するイニシアテイブ」を提案し、プーチン大統領もこれを高く評価し支持を表明した。

今後の北東アジア地域安定のためには、この地域へのロシアの積極的参加と貢献が求められている。第三次の発展プログラムが12月下院選挙・来年3月大統領選挙の選挙公約に終らないことを願い、この秋久し振りに開催が予定されている「日露極東経済協力ワークショップ第15回会合」の成功を期待する。