拡大する日露貿易はロシア極東から

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1956年10月の日ソ共同宣言により日ソ国交回復が実現し、翌1957年末には「日ソ通商航海条約」と「日ソ貿易支払協定」が締結されて、日ソ貿易は軌道に乗った。1958年の貿易は、日本からの輸出が1.8千万ドル、日本の輸入は2.2千万ドルで、輸出入合計が4千万ドルであったが、50年を経た日露貿易は200億ドルを凌駕し、300億ドル台に大きく飛躍しようとしている。

日本の輸入は、ソ連時代から現在に至るまで大きな変動はなく、水産物・木材・石炭・非鉄金属が大部分を占めていたが、いずれもロシア極東の産物であった。2007年1~9月の日本側通関統計によると、日本からの輸出は前年同期比52%増の77.1億ドル、輸入は66%増の73.9億ドルとなり、輸出入総額では151億ドルで前年同期比58.5%増となり、この時点で2006年通年の137億ドルを越えている。

ここで特徴的なことは、日本の輸入品目に大きな変動が見られることである。2007年1~9月の輸入では原油が急増し22.5億ドルを記録して輸入品目の第一位にランクされ、30.5%のシェアを占めるに至った。前年同期の原油輸入は1.7億ドルで4%に過ぎなかったことから、急増したことが判る。

ちなみに2006年1~9月の実績は、アルミを中心とした非鉄金属が第一位で16.5億ドル・シェア37.2%、以下水産物、木材、石炭、原油の順位であった。これに対し2007年1~9月は、原油に次ぐ第二位は非鉄金属の20億ドルで27.8%にシェアがダウンし、以下木材の11.2%、水産物の9.6%、石炭の9.5%と続いている。

サハリン2の原油は、凍結期を除く6ヶ月間の生産で細々と輸入されていたが、サハリン1は2006年秋の原油輸出ターミナルが完成してフル生産に入り、原油輸入の大幅増加に貢献したものと考えられる。サハリン2は2008年末にパイプラインが完成すると、通年輸出が可能となり、日本の原油輸入量は更に拡大する。

一方サハリン2のLNG輸出が整う2008年末以降は、日本の電力・ガス各社との長期契約に基づく輸入が、今後長期間に亘って継続的に行われることになり、日本の対露輸入地図は大きく変るであろう。

これまで日本のエネルギー供給源は「南ルート」に大きく依存してきたが、今後は「北ルート」が加わって、資源の分散化が現実のものとなり、エネルギー安全保障分野においてロシア極東の資源は大いに貢献することになろう。