拡大する日露経済関係は次の段階へ

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最近の日露経済関係が好調な状況を反映して、ロシア問題をいろいろな角度から取上げられ報道されることが非常に多くなった。街の本屋に立寄るとロシアに関する本が溢れていて、一般市民のロシアに対する関心が高いことが判る。

一方ロシアに関する講演会・セミナー等を開催すると、これまでにはなかったように沢山の人々が参加している。その中には、これからロシアとのビジネスを検討しているビジネスマンも多く含まれている。

この背景には日露貿易が急速に拡大したことがある。

2007年ロシアの通関統計によれば、日露間輸出入合計は史上初めて200億ドルに到達した(日本の通関統計では212億ドル)。これは前年比64.1%増となって伸び率では第一位となった。伸び率の第二位が中国で40.5%であり、第三位トルコが32.1%であることを考えると、日本の伸び率が突出していることが判る。更にロシアにおける外国貿易の国別ランキングで、日本は2006年の15位から、2007年には8位となって、ロシアにとって日本は重要なパートナーとなった。日本からの輸出は相変わらず自動車が好調で、前年の52億ドルから65%増の80億ドルに達し、日本からの輸出の75%を占めている。もっとも注目されるのは日本の輸入で、原油が前年の7億ドルから5.3倍の37億ドルになって劇的に拡大し、ロシアからの輸入の35.4%を占め、非鉄金属に代って第一位になった。これはサハリン原油が日本市場に着実に根付いてきたことを示している。

日露経済関係において日露が重要なパートナーになった第二の要因は、日本企業によるロシアへの事業投資が急速に増えたことであろう。トヨタ自動車はロシアにおける生産拠点として、サンクト・ペテルブルグを選び、2005年6月起工式を行なって二年後の完成を約束したが、その後の幾多の困難にも拘らず2007年12月にその完成を披露し、引続き隣接する土地に第二工場の建設を宣言した。プーチン大統領は勤勉な日本人とその企業家精神を高く評価した。

この10年以上日本の投資が慎重すぎること、日本は中国や韓国等の近隣諸国に遅れをとっていると非難されてきたが、今やこのような言葉は耳にしなくなり、今後ロシアは製造業のイノベーション事業を本格化するに当って日本企業の協力を不可欠として熱い視線を送ってくる。

7月洞爺湖サミットの際予定されている日露首脳会談では、昨年のサミットで当時の安倍総理が提案した「東シベリア・極東地域への日露協力イニシアテイブ」具体化が対象課題になるという。日露経済協力は更なる段階に向けてステップアップすることが期待されている。