米国発不況と東アジア経済協力

|朝鮮半島

米国発金融危機で先進国、開発途上国を問わず、世界経済は2008年下半期以降経済成長率の低下が著しくなっている。2009年に入ると景気下降の幅はもっと大きくなると予想される。多くの景気予測機関は、2009年の米国、日本、EUなど先進国の経済成長率が0%あるいはマイナスに落ち、新興市場国および開発途上国も2~3%という低い水準への成長率下落が避けられないと見ている。

GDPの40%弱と輸出依存度の高い韓国は、2008年、輸出の好調に助けられ4%強の経済成長が予想されるものの、2009年には、世界経済の不振で輸出が大幅に減り経済成長率も2008年より大幅に落ちると見られている。

一方、日本はGDPに占める輸出比重が韓国よりは低いものの、ここ数年間、中国などの新興市場への輸出増大と低い円レートによる輸出競争力の向上で、輸出依存が非常に高まっている状態である(2006年14.7%)。世界経済の不振で日本も2009年には輸出が大幅に落ち、経済成長率もマイナスを記録することが予想される。

中国もGDPに占める貿易(輸出+輸入)の比重が継続的に高まってきて、2007年には約70%に至った。ところが、この度の世界的な大不況は中国の輸出を担っている外資企業の設立と、直結する外国人直接投資の流入の急激な鈍化をもたらし、今後、輸出も急速に落ちることが予想される。その結果、10%以上の高度経済成長を続けてきた中国の経済成長も、2009年には7%台の低い成長になる見通しである。このように見てみると、韓国、日本、中国は、程度の差はあるものの、非常に大きい海外依存型経済という特徴を持っており、今後、世界的な不景気の下で相当な輸出不振が予想される。

また、これら各国の輸出先としては米国が1~2位である点も共通している。2007年、各国の輸出に占める米国の割合は韓国12.3%、日本20.1%、中国19.1%であった。したがって、これら各国の対米輸出が不振に陥る場合は、それが国内景気に跳ね返ってくることは言うまでもない。米国は、オバマ新政府の発足以降大々的な景気浮揚策を行い、経済が急速に回復に向かうとの予測がある。しかし、これまで世界経済のグローバリゼーションを主導してきた米国が、今回の経済危機で内部志向的に変わり、保護貿易主義が強まり、これまでの世界の輸入市場としての役割は大きく縮小する可能性が高い。したがって、今後、韓国、日本、中国の対米輸出の大幅な減少は不可避であり、各国の対米輸出依存度を減らす対策が必要と思われる。

1997年に発生したアジア通貨危機は、アジア各国に域内経済協力の重要性を認識させる契機になった。しかし、東アジア地域ではEU,NAFTAのように域内全体の国、地域にまたがる域内経済協力体の形成には至らず、ASEAN自由貿易協定と韓国、日本、中国とASEANとのFTAが始まったばかりである。韓日、韓中、中日のように東アジア域内で経済的比重が大きい国同士のFTAは、交渉中断か検討段階に留まっている。

したがって、今回の世界的な同時景気不況と、今後起こると予想される大幅な輸出減少を前に、米国などへの輸出依存を減らし、それを韓国、日本、中国が中心になって域内経済協力の拡大で補う対応が求められる。