モンゴルの近代化

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モンゴルのワーキングデイは7月10日で終わる。7月11日から13日までは、ナーダムの祭りである。その後は夏休み。(全ての機能が停止するわけではない。少し仕事のテンポがゆるくなる)

6月から8月は最も良い季節である。モンゴルの四季がJune/July/August and winterと言われる所以である。

カナダのアルバータ州のカルガリーで毎年行われるスタンピードというお祭りも、同じ時期に行われる(7月9日から18日)。これはカーボーイのお祭りである。

二つのお祭りに共通なのは、ともに草原で遊牧しながら生きる人々の生活と歴史を反映したスポーティーなイベントが続くことである。草原の民の喜びと誇りが示される。

モンゴル国とアルバータ州には、もう一つの共通の政治と経済の背景がある。アルバータ州はカナダの有力な石油・天然ガスの産出地であり、資源生産収入をバックに、東部の連邦政府とは一線を画した自立的な州政府の運営がなされている。そして豊かである。今、モンゴルはこのアルバータの世界を目指してい る。

カナダは自由経済の国家である。その歴史も古い。しかし、石油が急速に地域の資源として価値が上がり始めたのは、1973年の石油ショック以降である。その時、カナダの国内で形成されてきた資源開発のルールは、州の権限を強めることで変えられた。

モンゴルも最近の資源価格の高騰に支えられて、その資源開発の仕組みを改正しようとしている。モンゴル政府は、2007年には鉱山法を改正し、また2009年にはそれを具体化する形で、アイバンホーマインズ社とオユトルゴイの銅・金鉱山の開発に関する投資協定を結んだ。本年4月からオユトルゴイは生産設備の工事にとりかかっていて、2013年には生産が開始される予定である。

タバントルゴイの石炭鉱山については、本年7月までの国会における検討の結果、基本的な方向付けがなされ、今冬までに実施計画が策定されることになった。

資源開発事業により、モンゴルのGNPは飛躍的に増大し、国民生活は一層豊かになる。

産業面でも東ゴビ県の県庁所在地のサインシャンドを中心に、南ゴビの資源の加工基地(銅の精錬、石炭のガス化・液化)を手始めとして、100億ドル規模の投資を期待した産業団地の形成を目指している。

2007年から2015年まで年平均14%の経済成長を目指し、270万人の国民所得が、現在の一人当たり1,900ドルから5,000ドルに上昇する。さらに、2016年から2021年の間に12,000ドル(韓国・台湾なみ)になろうとする野心的な数字も出されている。

豊かなモンゴル国家の形成のためには、アルバータ州の例に倣うまでもなく、資源と牧畜の二大産業の近代化政策と、国民の食料・住宅などの生活基盤の充実、教育・医療などの国民サービスレベルの向上などの足元政策が必要である。このためのビジョンの策定と具体的な戦術展開のマスタープランは、未だ見えていない。‘自由経済’の先達である日本の協力が更に求められる所以である。

テレルジがバンフに比肩する観光地になることを期待し、草原の民の国の発展を祈りたい。