変化について思う

|北東アジア全般

民主党政権が発足して3ヵ月が経ち、自民党長期政権の間には経験したことのない変化が現れてきた。政権が交代することで、前政権の施策を否定することが可能になり、それによって変化が現れるということだと思う。官庁もまた、政権が代わったことで、従来の政策を変更することができて、変化は、政界に限らず行政全般に及ぶ。しかし、現在日本で起こっている政治的変化は、公共事業の切捨てなど、地方では厳しさの方がより強く感じられるようだ。

変化と言えば日本を取巻く国際環境も激しく変化している。2008年9月のリーマンショック以降の為替相場の変化は、何故これ程までに日本に厳しいのか戸惑うばかりである。リーマンショック直前の2008年8月末時点を100として、主要通貨が対日本円でどの様に変化しているかをプロットしてみた。日本円が100である。ここから明らかになることは、円の独歩高だということである。ドル安が進行していることにより、2008年7月以降ドル・ペッグを続けている人民元は自動的に切り下がっており、これに誘発されるようにアジアの諸通貨は切り下げ競争の感を呈している。日本の輸出に直接的な脅威となる韓国のウォンは人民元を上回るペースで切り下がっており、韓国中央銀行はウォン高を阻止するためにドル買いに出動し、結果として韓国の外貨準備は増加するという状況になっている。世界的な経済の歪み是正のため外需依存から内需拡大への政策運営の舵の切り替えが主張されているが、中国、インド、インドネシアなど人口が多く、しかも発展途上にあって内需の伸びが期待できる諸国を除くと、リーマンショックから脱出して経済を回復軌道に載せるためには外需を如何に取り込むかが肝心であり、外需を無視してかかるなどは経済の実態を知らないというそしりを免れない。その意味で、為替介入を一切せずに円の独歩高を許した日本政府の対応は問題なしとしない。このままでは産業の国外脱出が再び激化し、産業空洞化が心配される事態を招きかねず、現在の世界的不均衡の根源にあるとも見られている米国経済のような体質弱体化が危惧される。日本の場合は更に、人口の減少・高齢化というアメリカよりも厳しい条件を抱えている。

現下の日本経済は7割或いは8割経済という言葉が飛び交っているように、需要不足が際立っており、企業もこのまま何もせずにいては座して窮地に追い込まれる。地域企業も否応なく対策を迫られているように思う。また一方では、日本経済のガラパゴス化などという言葉がマスコミに頻繁に登場し、なかなか動けぬ日本企業の姿を見て、経済界にも危機意識が広がっていることの反映であろう。我々日本海沿岸地域は、近隣のアジア諸国との結びつきが他地域よりも強い。地域の経済界も、新しい状況変化への対応について、特にアジア諸国の情勢に目配りしながら、これまで以上に意識の転換を求められている。しかし、外国に進出したり、外国と取引したりするのには、リスクもあるので慎重な対応が必要である。我々北陸AJECもできるだけ力になりたいと思っているが、ジェトロなど国の機関を含め、関係各方面の知恵を借りるのを躊躇すべきでない。地域企業には是非がんばって頂きたいと願うばかりである。

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