地方ブランドを首都モスクワ市場へ売り込め! ~北海道プレゼンテーション2010~

|ロシア

ロシア極東地域の主要都市であるウラジオストク、ハバロフスクおよびユジノサハリンスクを訪問された方は、各地のスーパーで醤油、わさびなどの調味料、カップラーメン、お菓子など豊富な日本食が店頭で販売されているのに驚かれたのではないだろうか。現地の日本食の市場価格は、日本の3倍から4倍であるが、専用の棚を各スーパーに配置し自社が輸入している日本食を販売している現地卸売業者もいるほどである。

一方寿司ブームに沸くモスクワ市では、日本食を販売しているスーパーはまだまだ限定的である。勿論ソビエト時代からモスクワ市内には、日本食専門店があったが、現在でも常時日本食が手に入るのは一部の富裕層向けのスーパーだけである。

このような中、日本海側自治体の売り込み合戦が続くロシア極東市場の次のターゲットとして、人口1千万人を要する首都モスクワ市場へ売り込みをかける自治体が出てきた

1992年以降ロシア極東3地域と経済交流を続けてきた北海道もそのひとつである。北海道は2010年10月、北海道ブランドイメージの確立を目的とした官民合同ミッションをモスクワ市へ派遣した。現地では、北海道の食や観光、また建築や環境関連など北海道が優位性を持つ技術や産業、ロシアとの交流実績などに関するプレゼンテーションを招待者向けと一般市民向け各1回実施した。

今回のミッションに事務局として関わる中で、よい意味で予想を裏切る結果となったことがある。一つ目は、札幌に居ながらにしてモスクワ一般市民の参加者を集めることができたことである。プレゼンテーション開催の3週間前の事前調査の際、モスクワの日本センター、日本食専門店および日本食レストランへチラシの配布を行い、日本を紹介する現地サイトに開催案内を送付するなどの広報活動を実施した。同時に参加申し込みはすべて開催案内に記載のあるWebサイトへアクセスして申し込む手法をとった。その結果、毎日数通の参加申し込みが有り、開催数日前には満員御礼となった。当初は、Webサイトからの申し込みで参加者を集めることが出来るのか半信半疑であり、最悪の場合は当日の呼び込みなども覚悟していた。しかし現実は、開催当日も参加申し込みの約8割が出席するという嬉しい結果となった。

二つ目は、北海道が意外と知られていることであった。アンケート結果では、7割から8割の人が「よく知っている」、「知っている」と回答しており、洞爺湖サミットの実施などマスコミで報道されたことが影響していると推察されるが意外と認知度が高い結果が得られた。また、アンケート回収率が7割を超えたことも驚きであった。事前に配布したチラシに「北海道のお菓子プレゼント」とPRしたことが功を奏したのかもしれないが、今回は回収率が高いだけでなく自由解答欄にも多くの意見が寄せられた。

最後に自由解答欄の内容を一部紹介する。「ロシアで北海道のイメージをよくするために、経済関係の発展について大きな関心を払うべきである」、「トップレベルのみでなく、ロシア連邦の州、共和国レベルでの意見交換が必要」、「北海道を含む日本各地の事情及び問題点に関する情報が欲しい」。

「国と国」の関係が膠着する中、今後は「地方と地方」の関係が進むことによって双方の理解がより一層深まることを期待したい。