不定期船活用は、北海道とロシア極東地方の物流活性化の「切り札」となるか

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不定期船というと、どのようなイメージを抱かれるであろうか。不定期船の主力貨物が中古自動車などであることから、グレーなイメージを抱かれる方も多いのではないだろうか。しかし最近日本海側の各港では、建材や日用雑貨などの貨物が不定期船を利用して輸出されるケースが散見されるようになってきた。

このような中、北海道は道内主要港10港において、過去3年間のロシア極東地域との不定期船の運行状況調査を行った。不定期船の種類は、水産品、原木、石炭等の運搬を目的とする専用船と、北海道とロシア極東地方を直行でピストン運行する在来船に分けられる。調査では、スペースチャーターが可能な船舶のみカウントし、入出港状況を調査した。

調査結果によると、北海道の中で最も不定期船の入出港船舶数が多い港は、小樽港であり、全体の約8割を占めた。小樽港へ出入りしている不定期船の積載貨物の特徴は、無積載で入港し、完成自動車・自動車部品を積載して出港しているケースが多かった。仕向地については、平成22年の小樽港の実績によると、サハリン州のコルサコフ港と沿海地方のナホトカ港で毎月運行実績があり、特にコルサコフ港へは週1回以上の入出港実績があった。

不定期船活用の最大の利点は、輸送日数が短いことである。例えば小樽港からウラジオストク港へ不定期船を利用した場合の輸送日数は、約3日間であるが、定期コンテナ船(石狩湾新港または苫小牧港―釜山港―ウラジオストク港)を利用した場合は、釜山港での積み替えがあるため輸送日数は約2週間となる。

またコンテナ1本に満たない少量貨物については、海上運賃も安い。物流会社の積算によると、一般貨物の海上運賃は、小樽港からコルサコフ港向けがフレートトンあたり6,000円から20,000円、ウラジオストク港向けは3,000円から25,000円となっている。金額に幅があるのは、料金設定が船舶によって異なること、また船積費用が海上運賃に含まれている場合が多いため、取扱貨物量によって貨物あたりのクレーン使用料金が異なるためである。

一方短所は、入港スケジュールの把握が難しいことである。不定期船の場合、大まかな運航スケジュールはあるが、貨物がなければキャンセルされることがある。またクレーンで貨物を釣り上げて搭載することが多いため、コンテナ船と比べて梱包を厳重にする必要がある。

今後、不定期船が北海道とロシア極東地方の物流の「切り札」となるには、不定期船入港情報の確保、梱包の問題など解決する問題も多い。しかし北海道とロシア極東地方の物流活性化を図るためには、当面は不定期船の活用も視野に入れた柔軟な対応を行い、徐々に物流量の拡大を図ることにより、定期船につなげる戦略を練る必要がある。