「2007日中経済協力会議・ハルビン」について

NHKラジオ第一放送「ラジオあさいちばん」
 放送

Q: このたび、5月31日と6月1日の2日間、中国のハルビン市において開催されました「2007日中経済協力会議」について、この会議に出席されたERINA=環日本海経済研究所の特別研究員の鈴木伸作さんに聞きます。鈴木さん、まずこの会議の簡単な目的や概要をお聞かせください。
(鈴木) 今回の会議は、昨年の安倍首相の訪中、そして今年の中国温家宝首相の来日と言う相互訪問を受けて会議、大変熱気に満ちた雰囲気でした。今回の会議は、中国の東北振興と日中経済協力の促進を目的に開催され、今回で第7回目となります。

会議は、日本側は中国東北部との経済交流の橋わたしを目的に設立された「日中東北開発協会」、中国側は中国東北部の東北3省(黒龍江省、吉林省、遼寧省)それに内モンゴル自治区がカウンターパートとなっています。

日本側は中国駐在の現地参加を含めて約160名、中国側は中央政府や地方政府の関係者約340名で合計500名を超える出席で、この会議への日中双方の関心の高さがうかがえました。

主要テーマは、日中の企業間の交流、省エネ・環境対策、そして中国東北地域開発への日本の協力の可能性について議論が交わされました

Q: これまで中国の経済成長は沿海部を中心に進んできましたが、東北振興が国家の重点政策になったことを追い風に、地元の発展への期待と意欲が非常に高まったと聞いていますが、会議を通じての雰囲気や東北部のポテンシャルをどう思いますか。
(鈴木) やはり、この東北振興政策が国の重点施策であるという錦の御旗の基に、各省・市の代表の発言は大型開発プロジェクトの紹介と日本企業の投資と企業誘致の呼びかけ、日本からの資金と技術、そして経営管理システムの導入など熱いラブコールがありました。また各省間の熾烈な地域間競争も垣間見ました。また、今回の日本代表団長は日中東北開発協会会長の張富士夫トヨタ自動車会長でしたが、張会長の出席も中国側を大きく刺激したようです。

一方日本側からは、すでに中国へ進出している企業などから具体的な問題提起がありました。日本企業が中国進出する場合の決定条件や中国の経済関係法令の問題、企業倫理、社会貢献、環境対策などの重要性を非常に丁寧に発言していたのが印象的でした。

中国東北部の今後の可能性については、いくつかの点で有利な要素があると思います。(1)広大な土地(2)豊かな天然資源(3)重化学工業基地としての整備された産業基盤(4)日本語能力も含め豊富で質の高い人材(5)農業・食料基地(6)東北振興政策による交通インフラの急速な整備などが挙げられます。

今後急激に東北部への日本からの投資や企業進出が進むには、まだ問題も多くありますが、期待したいと思います。

Q: 今後のこの会議の役割や期待する点をお話ください。
(鈴木) 今回会議では中国東北地域は隣接するモンゴル、朝鮮半島、ロシアを含めて中長期的には北東アジア経済圏発展の拠点形成の大きな役割を担うとの発言が印象的でした。その意味からこの会議の持つ意義と役割は重要と思います。今回の会議で2008年は新潟市で開催されることが決定しました。この会議に出席した泉田新潟県知事からも来年25周年を迎える新潟県と黒龍江省との交流の紹介とともに、来年新潟での再会を熱烈に歓迎する挨拶がありました。

最終日の6月1日は中国では「こどもの日」にあたります。会議場に隣接するショッピングセンターには大勢の親子連れが休日を楽しむ光景を目にしました。

日中の子供達の未来のためにも、両国が互恵・補完、双方が満足するウィンウィンの関係になるための知恵と努力の必要性を強く感じました。

Q: ありがとうございました。