「APEC2012開催地ウラジオストクと新潟」

NHKラジオ第一放送『ラジオあさいちばん』「海外元気情報」
 放送

MC: 新潟にあります財団法人環日本海経済研究所の調査研究部長代理・新井洋史さんにお話を伺います。おはようございます。今日は、新潟に関わるお話でしょうか?
(新井) 今日は、新潟から飛行機で1時間半の距離にあるロシア・ウラジオストク市の話題をお伝えしたいと思います。

ウラジオストクはロシアの極東にある港町で、人口は約60万人です。この町では、今、大規模な建設プロジェクトがいくつも進められています。これは、3年後の2012年の秋にAPECの首脳会合をウラジオストクで開催するための準備です。APEC首脳会合は、日本やアメリカ、中国などアジア・太平洋地域の21の国や地域の大統領や首相などが参加する大規模な国際イベントです。ロシア政府としては、この町を足がかりにアジア・太平洋地域との経済交流を活発化したいと考えているようです。

ただし、ウラジオストクは太平洋艦隊の司令部があるために、ソ連崩壊まではソ連国民でも特別な許可がないと入ることができない閉鎖都市でした。その後、20年近くたって、ある程度の都市インフラは整備されましたけれども、大規模な首脳会合が可能な国際会議場はありませんし、国際空港やアクセス道路、ホテルなどの施設も十分ではありません。そこで、急ピッチで整備を進めているわけです。こうしたインフラ整備の予算を合計すると、日本円で8000億円にもなります。さらに、周辺で予定されている石油や天然ガスの輸出インフラの整備なども合わせると投資額は数兆円に上るとも言われています。

MC: 新潟としても、動きがあるのでしょうか?
(新井) こうした大規模な投資が進められようとしていることから、新潟の経済界でも何かしらのビジネスチャンスをつかもうという動きがあります。今年7月にも、行政と民間企業の関係者がウラジオストクを訪問して、主なプロジェクトの発注者などと面談し、商機を探りました。私も準備段階から関わったのですが、これまでに新潟が培ってきた人脈のおかげもあり、かなりスムーズにいろいろな方との面談の約束を取り付けることができました。
MC: 新潟では今までどのような交流をしてきたのでしょうか?
(中村) 新潟市は1991年にウラジオストク市と姉妹都市になり、さまざまな交流を続けてきています。例えば、市民団体による生け花や剣道といった文化・スポーツ交流など、地道な交流があります。また、ここ数年は、新潟県の花であるチューリップなどいろいろな花や、ナシやイチゴといった果物など農産物の輸出も実績が上がってきています。さらに、新潟市内の料理専門学校がウラジオストクの大学と提携して、和食の講習を現地で行う動きがあるなど、食文化そのものを輸出しようというところまで来ています。

先ほどお話したようなインフラ整備における協力が実現すれば、これまでの交流に新たな分野が加わることになります。新潟県では、さまざまな交流を促進するため、今年7月にウラジオストクに連絡員事務所を開設しました。飛行機でわずか1時間半という、非常に近い隣人同士の間の交流が、これまで以上に深まっていくものと期待しています。

MC: 今後の交流が楽しみですね。ありがとうございました。