「2010北東アジア経済発展国際会議イン新潟」

NHKラジオ第一放送『ラジオあさいちばん』「海外元気情報」
 放送

MC: 1月25日から26日、新潟市で「2010北東アジア経済発展国際会議」が開かれました。私たちは「東アジア」という言葉をよく耳にしますが、「北東アジア」とはいったいどんな地域なのでしょうか。今朝は会議の事務局を務めたERINA=環日本海経済研究所・調査研究部長の中村さんにお話を伺います。

中村さん、おはようございます。

(中村) おはようございます。
MC: 北東アジアというと、どんなことが注目されるのでしょうか。
(中村) 北東アジアは日本、中国、韓国の東アジア3カ国に、ロシアの東部やモンゴル、北朝鮮を加えた地域を言います。

なぜ北東アジアに注目するかと言うと、私たち新潟など日本海側の人々にとってこれらの国々がすぐ目の前にあること。

その中でも、たとえばロシア東部は石油や天然ガスなどの天然資源が豊富で、世界のエネルギーの安全の鍵を握る地域であること。中国はいまや日本を上回る経済大国になりつつあること、などがあります。

つまり、北東アジアはエネルギー生産大国・ロシア、エネルギー消費大国・中国などが隣り合う地域として、日本の経済問題や環境問題にも大きな意味を持つ地域と言えます。

MC: では今回の会議でも、エネルギーや環境が話題になったのですね。
(中村) はい。この会議は東西冷戦の構図が崩れた1990年から毎年、開催され、エネルギーや環境問題、貿易や投資の発展、人や物が移動しやすい交通インフラの整備など、その時々の経済協力の在り方を多国間で考えてきました。

環境問題では特に、昨年12月、COP15と呼ばれる気候変動に関する国連の会議がコペンハーゲンで開かれ、世界的な注目を集めたばかりです。地球温暖化を防ぐには、世界中の国々が歩調を合わせた行動をとる必要がありますが、COP15では先進国、新興国、途上国それぞれの考え方をぴったり合わせるまでには至りませんでした。

この会議では、日本などの先進国、中国などの新興国、モンゴルなどの途上国がいつも参加し、親密な話し合いがされています。ですから、今年の暮れにメキシコで行われるCOP16を舞台に、気候変動に対する国際協力の新しいモデルを北東アジアから発信していこうではないか、という提案を今回の会議でいたしました。

MC: それはとてもワクワクするような提案ですね。ほかにも会議の提案があれば、お聞かせください。
(中村) キーワードで言えば「シームレス」、つまり継ぎ目ない地域を目指そうというものです。国が違えば、そこに何らかの不連続なことが発生します。ものを積みかえたり、税関を通らなければならなかったり、言葉も違ってきます。こうした不連続をなるべくなくしていこう、という提案です。

これは交通インフラの問題を克服しようとするときによく使うキーワードですが、交通問題だけではありません。例えば鳩山首相が「東アジア共同体構想」を提唱していますが、そのときには東アジア全体が継ぎ目のないシームレスな形で結ばれることがイメージされます。

お話ししたように日本との関係が深い中国・ロシアなどを含む北東アジアでもシームレスな社会を目指していくことが、人とモノが自由に行き交う生き生きした地域の創造につながると考えています。

MC: ほんとうに、そんな社会が実現できるといいですね。中村さん、今朝はありがとうございました。