「2012年APEC首脳会議開催地ウラジオストク」

NHKラジオ第一放送『ラジオあさいちばん』「海外元気情報」
 放送

MC: 横浜で明日(13日)からAPEC首脳会議が開催されますが、今日は、そのAPECに関連した話題ということですね。
(新井) APECには首脳会議のほかにいろいろな大臣会合があり、私のいる新潟でも先月「食糧安全保障担当大臣会合」という会議がありました。地元では新潟の食をアピールする機会としてさまざまなイベントを開催していました。

そのAPECですが、来年はハワイで、そして再来年は新潟市の姉妹都市でもあるロシア極東のウラジオストクで開催されます。ウラジオストクでは、各国首脳を迎えるのに恥ずかしくないよう、さまざまなインフラ整備が進められています。

MC: どんな工事が行われているのでしょうか?
(新井) 私も現地で見てきたのですが、例えば、空港のターミナル建設です。現在の国際線ターミナルはソ連崩壊後の経済混乱の中で建てられたものです。新潟の企業が資金を融資するなどの協力もしたのですが、規模が小さく、手狭な感じがします。ロシアとしては、新たなターミナルを作って面目を一新したいということのようです。

また、会議会場となるルースキー島という島に架かる橋も建設しています。この橋は、いわゆる斜張橋といわれる吊橋の一種ですが、完成すれば、このタイプの橋としては世界最長になるということです。まさに大国ロシアの威信をかけていると言えます。

MC: その他には何かありますか?
(新井) 今お話したルースキー島という島は、ウラジオストクの少し先にあるのですが、これまでほとんど人が住んでいませんでした。当然、会議用の建物や参加者の宿泊施設などは、新たに建てなければなりません。面白いのは、これらの建物のその後の利用方法です。日本でも大きなイベントのために作った施設のその後の使い方にはいろいろ工夫していますが、ウラジオストクではこれらの施設を大学の建物として利用しようとしています。例えば、会議室は講堂や教室に、宿泊施設は学生や教職員の寮にしようというわけです。

そして、そのために新しい大学まで作っています。ウラジオストクは実は学園都市で、人口60万人の街に8つの大学があります。その中の一つ、極東国立大学という大学を中心に他のいくつかの大学を合併して、「極東連邦大学」という大学を作ろうとしています。最終的に学生数46,000人のマンモス大学とする目標です。人口流出が続くロシア極東に少しでも若者を引き留めたい、あるいは引き寄せたいということだと思います。

MC: ルースキー島に、学園都市ができるわけですね。
(新井) 現在の各大学の校舎は、市の中心部に近く、何をするにも便利ですが、島に行くとそうはいきません。巷では、先生も学生も島には行きたくないのではないかと言われています。そこで、先月現地を訪問した時に、何人かの大学の先生に「島に行くのは嫌じゃないですか?」と、少し意地悪な質問をしてみました。ほとんどの人は「そんなことはありません」という答えでした。建前で答えているのかもしれませんし、もう覚悟を決めたということなのかもしれません。私は、個人的には、大学は街の中にあった方がいいと思うのですが、ウラジオストクの場合はどうなるのか、関心を持って見守っていきたいと思っています。