ヤクーチアで国内唯一のダイヤ原石の小分け販売事業を発表
2017年06月09日
エリナのささやき
先日開催した賛助会セミナーの講演録の確認作業をしていると、あらためて「異己」(自分とは異なる価値観や立場を持つ相手)を理解し、共存することの意義を感じます。日本では共謀罪法案をめぐり国会審議の在り方が問題になっています。アメリカでは「ロシア疑惑」の捜査中止が大統領の「指示」かどうかを巡って揺れています。イギリスでは総選挙でEU離脱などが争点になっています。異己を理解するよりも自分の利益が優先、という考え方が世界のあちこちで問われているように思えます。▼きょうの海外ビジネス前線はダイヤの話題。ダイヤや己の利益に目が眩むことがありませんように。写真はヴェルサイユの「黄金の間」から。
海外ビジネス情報
◇ヤクーチアで国内唯一のダイヤ原石の小分け販売事業を発表
ヤクーツクで、ダイヤモンド原石の小分け売りプロジェクトがロシア国内で初めて発表された。これは、宝飾業界の健全化を可能にすることだろう。サハ共和国(ヤクーチア)のアンドレイ・パノフ産業・地質大臣がTASS通信にこのように語った。
パノフ大臣の説明によると、多くの研磨工房や宝飾会社は目下、厳しい経済状況にあり、ALROSAから標準ロットを購入することができない。そうするためには、彼らは相当の融資を受けなければならない。「このプロジェクトによって、地元の宝石商や研磨業者は小ロットでダイヤモンド原石を仕入れ、かつ、自分が特に興味のある、研磨して需要が出るような品を選ぶことができる。結果的に、完成品の原価が下がり、工場や企業の利益が拡大し、彼らはその利益を生産活動に再投資して着実に製造量を増やし、新たな雇用を創出し、納税額を増やすことができる」と大臣は述べた。
説明会ではダイヤモンド原石が38種類(101個)のロットで紹介された。1カラットの値段は130~1400ドル。一方、ALROSAは自社の商品を120カラットひとまとめで(石の品質は様々)6万ドルで売っている。(タス通信5月31日)
◇中国商工会がロシア極東への投資の誘致に協力
ロシアと中国の企業間協力の強化を目的とし、両国間の交流の安定化、連携の拡充を可能とする専門的で効果的な場ができそうだ。これに関する合意文書が極東投資促進・輸出支援局と中国機械・電子製品輸出入商工会議所によって署名された。
この合意書の枠内での協力は、互恵的なものとなるだろう。中国企業は、投資家に対する税制その他の特恵待遇(特に、電気代はアジアで最も安い)が見込まれるロシア極東地域に、製造施設を開設することができる。
合意文書の署名は、モスクワで開催中の第8回中ロフォーラム「対中ビジネス-新時代の戦略-」で行われた。このフォーラムは中ロ協力関連の最大規模のイベントの一つで、見本市「China Commodity Fair」(高級中国製品の見本市)の枠内で開かれている。(ロシア連邦極東開発省5月31日)